一部
出逢い
私、お金で売られる?
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ヤツラの影におびえてやってきたのだ。俺も我慢の限界だし、部下たちも皆そうだった。だから、なんとか武器が必要なんだが…。
「高すぎる…、とても払える額じゃない」
ふざけた笑みを崩さないロッペンが憎らしい。武器商人の癖に調子に乗りやがって、この野郎。
「さて、そろそろ決めてくださいますか。次の約束もございますので」
ロッペンは俺たちの取引はどうでもいいって顔をしていた。
「どうします…?」
クソが。
「と、取引させていただきます…」
「そうですか、それは本当に良かった。賢明な判断だと思いますよ。
それでは、この紙にサインを…」
ロッペンが契約用紙を取り出した、その時だった。
プン。
空気が裂けるような音がして、ロッペンの護衛の一人が赤い血を頭から撒き散らして音もなく倒れた。
続いて一、二と同じ炸裂音がすると、同様に護衛が身構える間もなく頭を爆ぜさせる。部屋が一瞬にして血の海と化して鉄の匂いにまみれた。
「っは、っはははは、、、、、だだだ誰だっっっっどこからっ!
おい、お前ら、俺を助けろっ、、、、、、」
ロッペンは腰が抜けた様で、格好のつかない姿勢で叫んだ。俺はそこでやっと遠方射撃されているのだと気付いた。
クソ、どこのどいつだ。まさか、ギガルファミリーか?
どちらにしても窓を背にしている今のままでは狙撃主の的だ。
そこで俺はすぐさま、机を盾にして部屋の扉へと走った。
「ううぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
扉のノブにもう少しで手が届く、そんな時にパフンとどうにも気の抜けた炭酸を空けた様な音がして、俺の意識は闇へと消えた。
「っと、ターゲットと違う方に当たっちゃった…、悪い癖だなあ、どうも左を意識して撃っちゃうよお」
ぱん、ぱん、ぱん、と喋りながら撃っていった。左から順に護衛の三人が赤い血花を咲かせて地面に倒れこんでいった。
「ああ…本当にごめんね…、君たちは只のぼでぃがーどなのにね…、でも生かして返す訳にはいかないんだよ」
長い銃身から薬莢がスコッスコッと心地の良い音をたてて弾き出された。その度に銃弾が標的を正確に射抜いていった。
「うわあ、机持って走ってくよ…、逃げられたらマズイかな、やっぱりマズイよねえ…。撃たなきゃダメかな、撃たなきゃ、ダメ、だよねえ」
言葉と共に愛用のドラグノフSVUの引き金を引いた。持っていた机を貫いて弾丸は標的の命を刈り取った。机が吹き飛んで死体もろとも扉付近に弾け飛ぶ、それが幸いというかなんというか、部屋の唯一の出口を塞いだ事になった。
「不本意だなあ、不本意だよねえ、ったく。殺したくもない人を殺さなくちゃいけないなんて、、、
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