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東方異形録
第43話 年期が違うのだよ、年期がァ!

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「オオォォラアァァァ!!!!」

 さて、どれくらいの力かな?一度喰らってみるのも良いかもしれない…少し前まで咲喜はそう思っていた、理由は簡単。相手が人間でこっちが鬼、それだけだ。-----その思いが原因で圧倒的不利な状態を生んだ。



●咲喜●
「っ、速い!」
 翔の拳の速度は鬼が届かないであろう程のスピード…本当に人間なのか? !、防ぎきれるか!?

「ハアアァァアァァァ------!!!!」

 バキッ!

(右腕がやられた…! 不味い、利き腕を使えないのは不味い!!)
 私の心に不安が忍び寄ってきた、“勝てるのか?”と。だがもう一つ思うことがあった、“どこまで自分を満足さしてくれるだろう”と------さぁ、次はこっちだ!
 私は翔に右ストレートを放った。



●翔●
(っ、なんだ今のパンチは----!)
 俺は咲喜のパンチを両手ガードした。が、どういう事か拳の触れた瞬間、跳ね飛ばされるように俺は後ろへととばされた。…なにかの能力か?

咲喜「今のを止められるとは思わなかった」
  「年期が違うのだよ、年期がアァ!」

 今度は俺が右フックを放った-----クソっ、避けられたか…

咲喜「…やはり人ではないんだね」
  「ごもっとも。俺はいわゆる吸血鬼って奴さ」

俺は元の姿に戻った。

咲喜「“吸血鬼”ねぇ…色々と納得したよ。」
  「…何の事だ?」
咲喜「さてね、それより---」

!、来るか---

  「続きって訳かぁ!」
咲喜「当たりィ!」



 俺たちは、互いに拳を放った。
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