暁 〜小説投稿サイト〜
占術師速水丈太郎  ローマの少女
第三十章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
だですね」
 ある一点を指差した。そこにあったのは。
「ここにはまだですか」
「そこですか」
 それを見たアンジェレッタの目が光った。
「はい、そこは如何にもと思うのですが」
「確かに」
 彼女もそれには頷いた。
「ですが今はまだ」
「これからはわかりませんね」
 速水は不思議な言葉を述べた。
「これからとは」
「ええ。まだ出ていないのならば。いえ、この場所は」
 さらに言う。
「夜にはあまり人がいない場所ですね。どうしても」
「ですね」
「ではやはり」
 速水は考えを詰めていった。
「この場所は。かなり怪しいと思われます」
「ここが」
「一度足を運んでみるべきだと思いますが」
 アンジェレッタに右目を向けてきた。生憎左目は見えはしない。
「どうでしょうか」
「それでは」
 アンジェレッタもそれを受けて述べた。
「今夜はそちらですね」
「はい、参りましょう」
 彼女をその場所へと誘う。
「そうすれば。私達の仮定が正しいことになりますから」
「そうですね。それだからこそ」
 アンジェレッタはまた言った。
「参りましょう」
「はい。それでは」
 またカードを引いた。表われたのは月のカードであった。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ