第一物語・後半-日来独立編-
第五十章 その場所へ想い走らせたならば《1》
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何処か一人で行ってしまうのだろうと思った。
しかし、ネフィアが覇王会に務めるようになり、覇王会の手伝いに誘われ、彼と関わるうちに、人間性に感心させられた。
自分の思ったことを行動に移していた。
それは自分には出来無いことで、羨ましかった記憶がある。
高等部では同じクラスであったため、趣味もお互い共有することとなった。
今は妹系エロゲーのことは置いといて。
とにもかくにも、彼とは案外同じ時間を過ごしている。
それによって知ったことは多く、人の話しでは聞けなかった一面も知れた。
だからこそ、友人として彼を宇天の長の元へと送り届けてやりたい。
またそう言う理由もあるが、今回は初めて彼が自分自身のために頼み事をしてくれた。
皆にとって、自分にとってはそれは初めてだった。
ならばなんとしても、成功させなければならない。
「想い人ができ、初めてあいつは俺達を頼った。いいか、俺達は頼られているんだ。お前達は自身を頼ってくる者を突き飛ばす人間か!」
「違う……!」
誰かが、言った。
まだ声が若かった。
「私達はそんな人間じゃない」
「そうだ! おれ達は日来を守るため、そしておれ達の長のために戦ってるんだ!」
「ここで諦めたら示しが付かない。だから、もう諦めません!」
それを聞き、ルヴォルフは頷く。
「よく言った、一年生」
青いなりに、彼らは発言した。
その発言は彼らにとって、後の自分を支える太い柱となることだろう。
先輩ら二、三年生は口に笑みを覚える。
口には出さず、心のなかで後輩の意志を受け止めた。
「ならば行くぞ、ここで諦めては全てが無駄になる!」
「「おお――――!!」」
彼らの声が合わさり、雄叫びとなって戦場に響く。
それは遠くにまで届き、離れた仲間の背を押した。
逆にそれを聞いた黄森と辰ノ大花の者達は、物怖じしたように一瞬足が強張った。
攻撃を止めていた手が震え、士気を一気に底上げした。
彼らを止められるものは誰もいない。
勢いそのままに、陣形を整え結界へと攻撃を再開させようとした時。
気のせいだろうか。
何処からか、叫ぶ人の声が聞こえる。
その声は平面上から聞こえたものではない。
下でもない。
上。
宙から聞こえるものだ。
●
民家の屋根を駆け、飛び、流魔操作によって流魔線を遠くの民間へと繋げて一気に縮める。
それで得た推進力で宙を行くセーランは、
「ほほおおお――うううう!」
と叫んでいた。
宙を飛んでいるのが癖になり、もう足を着く方が珍しいくらいだ。
宙で前転をしたり、後転したりアクロバットな動きを混ぜている。
風を巻きながら進んで行き、かなりの距離を行っていた。
今はもう西貿易区域が
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