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占術師速水丈太郎  ローマの少女
第二十九章
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「成程、わかりました」
「楽しみにしておいて下さい」
「しかし日本という国は不思議な国ですね」
「それはよく言われます」
 日本人として答えた。
「他に類を見ない国だと」
「その国だからこそですか。その本が辿り着いたというのも」
「消えた十支族も流れ着いたと言われていますよ」
「彼等もですか」
「真相はわかりませんがね」
 ユダヤに残る伝説である消えた十支族である。ユダヤ人達は今も消えた同胞である彼等の行方を追っている。だが今だに見つかってはいないのである。これは歴史の謎の一つとされている。


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