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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第23話 「ドキッ、寵姫だらけの宰相府(ラインハルトもいるよ)」
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思います。
 これだからショタはっ。

「おまえもなー」

 皇太子殿下の突っ込み。
 聞いていないようで聞いている殿下。
 うかうかと愚痴も零せませんね。
 ですが、いいんですか、皇太子殿下?
 私は知っている。
 皇太子殿下とアレクシアさんができているという事をっ。

「べつに秘密でもねえし」

 ですよねー。
 一〇才ぐらいのときから一緒にいたんですから、そうなっても不思議じゃないですよねー。
 ですが、士官学校時代のご乱行は如何なものかっ!!

「あ、それかぁ……」
「あの頃はひどかったですね。そりゃもう〜えらいことになっていました」

 ひどいときは十又、二十又は当たり前。といった感じでしたね。
 しかも別れる理由が、全員覚えきれねえ、ですからひどいもんです。

「あの頃は荒んでたからな……。で、何で知ってんだ?」
「皇太子殿下の乳母からお聞きしました」
「あのばあさんっ、なに話してんだ」
「あのばあさんっ? あの方まだ四十代ですよ?」
「えっ? そんなもんだっけ? ほんと、小さい頃から知ってるもんだから、もっと年上かと思ってた」
「皇太子殿下の乳母をやっていた頃は、二十二、三だった筈です」
「ということは、四十二、三か……」
「ですねー」
「まあバカな話は、これぐらいにして仕事に戻るぞ」
「了解ですー」

 乳母の方からお聞きした皇太子殿下のお話はまだあるんですが、そのうちにばらす時も来るでしょう。アンネローゼの反応が楽しみです。
 くっくっく。
 今のうちに夢だけ見てなさい。
 ただ、士官学校時代同室だった友人が、サイオキシン麻薬で亡くなったそうです。
 あの当時も、密売組織を炙りだそうとしたらしいのですが、皇帝周辺の貴族達に止められてしまったそうです。
 当時はまだまだ覚悟が決まってなかったそうで、皇太子殿下も眼を瞑ったらしい。
 でも、絶対見つけてやろうと思っていたんですね。
 サイオキシン麻薬関係は全部、潰すと言っていましたから。

 ■ミューゼル家 セバスチャン・フォン・ミューゼル■

「……クラリベル」

 酒に逃げる事しかできない私を許してくれ。
 娘と息子を失った。
 相手は皇太子殿下だ。
 断る事などできようもない。
 しかし、しかしだ。

「息子のあんな姿は見たくなかった!!」

 酒に逃げるしかない。
 私達の子は姉弟ではなく、姉妹だったのか?
 もう自信が無いんだ。

「教えてくれ、クラリベル」

 そしてアンネローゼはわたし達が出会った頃の、君に似てきたよ。
 私は怖いのだ。
 君に似てきたアンネローゼがっ!!
 皇太子殿下はご無事だろうか?
 心配なんだ。皇太子殿下を守ってくれ。
 クラ
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