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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第23話 「ドキッ、寵姫だらけの宰相府(ラインハルトもいるよ)」
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とスカートは、緑のサテンのバイアステープで装飾されているんです。スカートの前面はプリーツ。背面には細かいギャザー。背中の白い留めひもがかわいらしい。
 わたしが選んであげました。
 きゃぁ〜ラインハルト。とってもかわいいわ。
 ところがラインハルトってば、最近わたしの事を怯えるんですよ。失礼だと思いませんか?
 ああ、以前はこんな子じゃなかったのにぃ〜。
 よよと泣き崩れるわたし……。

「姉上、わざとらしい泣き真似はやめてください」
「ずいぶん生意気な口を叩くようになりましたね、ラインハルト」
「姉上もお変わりになってしまいましたし、ね」

 どうやら親離れならぬ、姉離れが進んでいるようです。
 良い事なのでしょうが、すこし寂しい気もします。
 しかしラインハルトの皇太子殿下を見る目。
 その目が少し気になります。何がとは申しませんが、何かが気になる。そんな感じです。
 う〜む。どうしたものでしょうか?
 ふと、ジークの方を見ると、マルガレータちゃんと仲良く遊んでいました。
 幼い女の子を手玉に取るなんて、ジーク。貴方も変わってしまったのですね。

「腐った妄想してないで、何の用ですか、言ってください」
「ラインハルト、この書類を事務局に届けてください。オーベルシュタイン少将が戻ってきています。あの方に渡すのですよ。他の方ではいけません。いいですね」
「はい」
「腐った妄想に関しては、いずれきちんと話し合いましょうね」
「遠慮します」
「ラインハルトっ!!」

 まったくラインハルトにも困ったものです。
 どうしてあんな風になってしまったのでしょうか? 以前は姉さん、姉さんとわたしの後ろをちょこちょこ付いて来たのに……。

「アンネローゼ様が貴腐人になってしまわれたからです」

 遠くの方でジークがなにやら、ぼそりと呟き、マルガレータちゃんが首を傾げて、ジークを見つめていました。二人ともすいぶん生意気になってしまったようです。

 いったいどうしてでしょうか?
 わたしには分かりません。
 マルガレータさんとエリザベートさんが、呆れたような目で見ています。
 不思議ですねー。

 ■宰相府 マルガレータ・フォン・ヴァルテンブルグ■

 アンネローゼがまたもや、おかしな妄想に耽っている。
 初めて会った頃はまともな女性だと思っていたのに、いったいどうしてこうなってしまったのか?
 不思議でなりません。
 エリザベートの方はいまだ、ジークを見ては、はぁはぁしてますし、この先宰相府はどうなってしまうのでしょう……。
 特にエリザベート。(独身のアンネローゼはどうでもいいです)
 彼女は二児の母なんですよ。
 家でもこんな感じなのでしょうか? 
 こどもの教育に大変悪いと
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