第23話 「ドキッ、寵姫だらけの宰相府(ラインハルトもいるよ)」
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ら殿下のところに来たということは……。
はは〜ん。財務省の役人では貴族達に返済を迫っても、身分を盾に踏み倒されがちなのですね。
殿下のご威光で貴族達に迫ろうとしているのでしょう。
『皇太子殿下のご命令です』
それを切り札にしようという事でしょうか?
借金の取立てすら、殿下に頼らねばならないとは、役人が情けないのか、それとも貴族達が横暴すぎるのか……どちらも貴族階級でしょうに。
腹が立ちます。
これは皇太子殿下の要決裁っと。
次は……。
ほほう〜汚職ですか。
軍の基準以下の軍用レーションが配給されているらしい?
軍の食事というのは、伝統的にまずいらしいのですが……。
ふむふむ。中抜きされているらしい、と。そしてリベートを貰っているのは基地の大佐。ヘルダーさんですか?
だから、どうして軍内の汚職問題まで、皇太子殿下に決裁してもらわなければ、ならないのかっ。
帝国三長官はいったい、何をしてるんですかぁ〜。
「がぁ〜っでむ」
「うぉっ。アンネローゼ、何騒いでんだ?」
「アンネローゼさん、はしたないですよ。まったく恥ずかしい人ねぇ〜」
「こじゅうとめがっ」
「誰がこじゅうとめですかぁ〜」
「だから、なんなんだ?」
「これ見てくださいよぉ〜」
わたしは書類を振り回しつつ、皇太子殿下の席まで向かいました。
「ほー。軍の汚職問題か」
「どうして汚職に関するものまで、殿下に決裁を求めるんですかぁ〜。ただでさえ忙しいのに」
「こらこら、よく見ろ。これは内部告発だ。こいつ、いまその基地にいるんだ。軍務省に書類出したら、即、ばれるだろうが」
「あ、そうか。だから皇太子殿下に知らせてきたんですね」
「別ルートから調べて欲しいんだろうな。直接監査が入ると、下手すりゃこいつの口を塞ぎかねん」
「どうなさいますか?」
小姑であるアレクシアさんの言葉に、皇太子殿下がしばし考え込んでおられました。
やがてお顔を上げられ、仰ります。
「MS開発局の連中がな。ザ○の耐久試験をしたがっていた。宇宙空間ではなく、極寒地帯、すなわち氷や雪山での試験だ。ここ氷の惑星なんだろ。ちょうどいい、連中の試験のついでに監査に入らせろ。MS実験のついでということでな」
「なるほど、どこの惑星でもザ○の実験ともなれば、疑いませんね」
「何も無いような基地に監査に向かうのは、定期監査でもない限り誰かの密告を疑われますが、ザ○のついでと言われれば、そんなものかと思われますか」
「ただし、基地側にはザ○の実験を行うとだけ、伝えておけ」
「了解です」
わたしは部屋で雑務に従事しているラインハルトを呼びます。
今日の服装は、クリーム色の薄い絹のメリヤスの少女用ドレスです。
ネックライン
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