第23話 「ドキッ、寵姫だらけの宰相府(ラインハルトもいるよ)」
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ブラウンシュヴァイク公爵、リッテンハイム侯爵という帝国でも、二大巨頭の大貴族どころか帝国軍すら皇太子殿下の命に従う。
「帝国とは本来、このように動けるものだ」
ブラウンシュヴァイク公爵も奥方様にお尻を叩かれながらも、改革に邁進しています。
「貴族達を纏めるのは大変だが、遣り甲斐はある」
リッテンハイム候爵は、自慢の口ひげを整えつつ、楽しげに話されておりました。
この方々は陛下のご息女。皇太子殿下の姉上達を奥方に迎えられていますから、皇太子殿下とは義兄弟なのです。
フリードリヒ四世陛下が望まれた、理想の帝国の姿がここにあるのかもしれません。
帝国宰相である皇太子殿下が決断し、臣下が実行し、帝国が動く。
意向とご威光は帝国全土に広がり、臣民がそれを仰ぎ見る。
もしかするとルドルフ大帝ですら、今の皇太子殿下の事をさすが我が子孫と、お褒めになるかもしれませんね。
帝国の現状には眉を顰めるでしょうが……。
ああ、皇太子殿下がヴァイスヴルストを食べ終わり、プレッツェルを千切っています。
そろそろ食事の時間も終わりでしょう。
料理を作っていた者達が、柱の影から心配そうに、皇太子殿下を見守っております。
なにをそんなに……と思いましたが、彼らからしてみれば、食事を取らない皇太子殿下のことが、心配なのでしょう。
皇太子殿下がお倒れになる=改革が遅れる。
という図式が彼らの脳裏で、成り立っているのかもしれませんね。
自分達にできる事を、と思っても身分の低い彼らにはさしたる事もできません。そのためせめて食事ぐらいはと考えても、皇太子殿下は中々食事を取る時間も取れない。
だからでしょうか、今朝の食事の力の入り具合は……。
朝食ですから凝った物ではありませんが、もの凄く丁寧で手間が掛かっています。
皇帝陛下の食事でさえ、ここまで手間を掛けないでしょう。それも朝食に。
慕われるというのは、こういう所に現れてくるものなのでしょうか?
「うまかったな。……では、今日も馬車馬みたいに働きますかっ」
「はい」
席を立った皇太子殿下にわたくしも従いました。
さて、皇太子殿下の仰るように今日も一日頑張りましょう。
彼らの期待を裏切らないためにも。
■宰相府 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
今朝は皇太子殿下とあの女が一緒に部屋に入ってきました。
あの女の笑顔がにくい。
ムカつきます。
この怒りを仕事にぶつけるわたしは、なんて健気なのかっ!!
目の前にある書類。
なんですか、これ?
この貴族用の金融機関というのは。金利も低いですね。まああっても不思議ではありませんが。
「返済率が低すぎるっ!!」
これが財務省か
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