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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四七幕 「嵐の前、乙」
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しかし最高責任者直々の指令とあっては従わざるを得ないのが社会のルールというもの。仕方なく諾々としたがってリハビリ監視を始めた。


リハビリをする少年はベルーナ・デッケンという無愛想なガキだった。わざわざ人が来てやったというのに「部屋の中には入らないでください」なんて勝手なことを言って個室に入っていきやがった。まぁあんな面白みゼロのガキンチョと同じい部屋にずっといるなんてこっちから御免被りたかったのでこれ幸いとそのまま行かせた。
もともと私は隣の部屋からモニターでガキンチョの様子を確認することになっていたので読みかけの本を持ち込んで小テストの丸付けでもしながら過ごそうと思っていた矢先―――デッケンが噎せ込んだ。

その時はさすがに慌てた。リハビリ内容はある程度聞いていたが、まさかそんなに早く体に変調をきたすほど深刻なものとは聞いていなかったのだ。急いでデッケンの部屋に向かったが、彼は「まだ平気だ」と言い張ってわたしを部屋から閉め出した。結局、リハビリが終わるまでの間、デッケンのむせる声や脂汗は止まることがなかった。

それから1組のIS訓練があるたび私はそんなデッケンの背中をモニター越しに見つめ続けた。あんなにつらい内容ならすぐに音を上げてあきらめるはず、という私の予想に反してデッケンはリハビリに耐え続けた。


なぜそこまでする必要がある?どうして顔面蒼白になりながらも続ける?お前はまだガキだろう、ガキはガキらしく弱音を吐いて辛いことから逃げ出してしまえよ。詳しくは知らないがトラウマがあるってんならそれを言い訳にしろよ。もう耐えられないって喚いて涙の一つくらい流せ。ISを動かすのは女の仕事だから僕は関係ない、って本音を吐いちまえよ。―――どうしてお前は何度でも“立ち上がれてしまう”んだ。おかしいじゃないか。
そんなヒョロヒョロで女より弱そうな体なのに、なんでお前はそんなにタフなんだ。

一度だけデッケンになぜリハビリを続けるのかを聞いたことがある。デッケンは質問に対して「身近な人の盾に位はなれるようになりたい」と短く返した。
私は、ISに乗る者は弱きものの盾となる義務があると思っている。だから私はその気概を知りもせずに社会に文句を言う愚図な男共が嫌いだ。そして責務を背負ってもないのに偉そうに女の地位をうそぶいてる馬鹿女共も同じくらい嫌いだ。ファッション感覚でISを語る生徒は容赦なく尻を蹴飛ばす。お前がISの腕で生身の人をぶん殴ったら相手は死ぬんだぞ、という単純な事実を嫌というほど念入りに認識させる

それに比べて、これだけの苦難に一歩も引かずに進み続けるデッケンの魂の何と気高く勇ましいことか。まさにIS操縦者としてあるべき理想形ではないか。

だが、その気高い精神が話をこじらせる。デッケン、お前の心は強くとも、お前の体
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