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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四六幕 「嵐の前、甲」
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両方勝ち進めば3回戦でぶつかれるな」
「そういうのを取らぬ狸の皮算用って言うんだよ、一夏?」
「ユウ!お前も来てたのか!」
「そりゃここが発表場所だから来るでしょ普通・・・」
ちょっと呆れ顔で後ろに立っていたのはユウこと残間結章とパートナーの凰鈴音の二人。二人とも普段とは違う緊張感に身を包んでいる。一夏は知る由もないが、彼らは既に一夏を倒すことより簪をシャルの手から救い出す方に精神を傾倒している。
「こっちは2回戦でシャルと簪のチームにぶつかるだろうからね・・・一夏たちと戦えるかはそれ次第なんだ」
「あの二人は絶対手ごわいと思うわ。悔しいけど、何度シュミレーションを練っても勝率は5割を超えなかった・・・」
「・・・でも負ける気はないんだろ?」
「「当然!」」
「俺もだよ。佐藤さんもそうだろ?」
「ま、せっかくの大会なんだから勝つ気で行かなくちゃね」
口ではそう答えた佐藤さんだったが、その顔は少し硬い。それも無理らしからぬことだろう、と一夏は考える。何せ自分たちの1回戦の相手は“あの二人”なのだから。
〜
≪織斑一夏and佐藤稔ペア VS ラウラ・ボーデヴィッヒand篠ノ之箒ペア≫
一夏は箒の実力をよく知っている。今まで剣道はもとよりISで求められる剣術もよく教わった。だからこそ分かる。箒は、少なくとも接近戦での技量は1年生最強だ。セシリアも相当な技量だったが、箒と剣一本で戦えば確実に箒が勝つという確信がある。足運び、剣筋、踏み込みの速さや振りの正確さ、空中での機動も無駄がなく、今までのIS戦では碌に構えを切り崩すことができなかった。時々勝ってもそれは機体の性能差ゆえのタッチの差。スペックの差を超えるだけの圧倒的な気迫と確かな技術を箒は持っていた。
そして、もう一つ気にかかるのはもちろんタッグのラウラだ。誇り高きドイツ軍人であり代表候補生、さらに千冬の指導も受けたことがあるとあっては実力もその肩書相応のものであることは想像に難くない。佐藤さんは彼女のISについていくつか情報を集めたらしいが、既に模擬戦で白式改の戦いを見せてしまっている以上情報面での不利は否めない。
「ここで負けたらジョウさんに合わせる顔もないし・・・気合い入れていこうか、織斑君?」
「そうだよな、たった3日ではあるけどジョウさんの特別訓練を受けたんだ!」
そう、それだけはこちらのアドバンテージだ。この3日間、俺はジョウさんに徹底的にしごかれた。片手間で佐藤さんも。今の動きの問題点とその改善方法、姿勢や癖の矯正など多岐に
亘
(
わた
)
る指導を経て、二人の技量はこの短期間で上昇している。はっきり言って突貫工事にしては出来過ぎなくらいの仕上がりだ。
もうそろそろ1回戦が終わり、自分たちの戦う2回戦始まろうとして
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