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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第154話】
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そ、そっか……。どんな奴なんだ?」


 出来るだけ平静を装い、未来の言葉を聞いてるのだが思っていたよりもショックを受けている自分自身にも俺は驚いていた。


「どんな奴……?……ずっと、私が小さい頃から助けてくれた人……」

「小さい頃から?」


 そう言われ、過去を遡る様に記憶を辿る。

 俺も未来とは幼なじみだから、多分俺の知った相手の筈なのだが……思い浮かばない。

 そんな俺の様子を見てか、思わず笑みを溢す未来。


「ふふっ。ヒルトって相変わらず鈍感だよね?」

「む?……好きで鈍感になった訳じゃないぞ?――てかマジでわからん……」


「ふふっ。……ヒルトのそんな所――――『私は好きだよ』?」

「ん?……そりゃどうも」

「…………」


 何故か顔を真っ赤にしてジトーっと見つめてくる未来。


「……どうした?」

「もぅ……まだわからないの?バカ、鈍感」

「……悪いが、何がどうすれば解るのかが解らん。『鈍感な所が好き』って言っただけだろ?」

「むぅ……。……やっぱり、直球で伝えないとヒルトには解らないのかも……」


 小声でぼそぼそと呟く未来。

 その声を穏やかな波の音と吹き抜ける風の音の両方がかき消していく。


 そして、意を決したのか真っ直ぐと俺の目を見つめてきた。

 その瞳は潤み、今にも泣き出しそうで頬は赤く染め上げる。

 手は後ろで組み――そして、口を開いて出た言葉は――――。




「……ヒルト。……大好き……」

「……え?」




 未来から伝えられた言葉を聞いたその一瞬、本当に世界が止まったかのように波の音は消え、風の音が止み、言葉だけが辺り一帯を包んだ――。
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