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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第154話】
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「あ、あんたもね」



 互いにそう言い、俺はその場を後にする。

 それから暫くしてから、風に乗って衝撃砲の音が聞こえてきた。

 ……鈴音にとって、余程の事があったのだろう。

 だからと言って一夏に同情はしない。

【自業自得】だから――。


――砂浜――


 旅館付近の砂浜に座り、俺は満天の星空を眺めていた。

 星空を眺めている俺に、誰かが声をかけてきた。


「ヒルト?ここに居たんだ」

「ん?……よぅ、未来」


 声をかけてきたのは未来だ。

 服装は制服を着ていた。

 そんな俺も、今回は制服。

 夜に泳ぐのはあまり好きではない――というか、暗い海を泳ぐのは苦手だ。

 今日みたいに満月の月明かりが照らされた日なら、泳いでも良いかなとも思うが――一人で泳いでも仕方がない。


「未来、どうしたんだ?何か用か?」

「ん……ぅん。少し歩かない?」

「ん?良いぞ?……月明かりに照らされて砂浜を歩くって、何か恋人同士みたいだよな?」

「へ……?ば、バカ……何言ってるんだかっ」


 急にそっぽを向く未来。

 俺は立ち上がると制服についた砂を払い、口を開く。


「……わかってるよ。未来には他に好きな奴、居るもんな」

「……え?」


 きょとんとした表情で俺を見つめる未来――そして。


「……ヒルト、それ……誰が言ってたの?」

「え?……誰が言ってたってよりは、偶然聞こえてきたっていうか――」

「……どこで?」


 何故か怒った表情をする未来。

 立ち聞きしたことに怒っているのだろうか……?


「そ、そのだな。中学三年の十月だよ。放課後、教室に忘れ物して取りに行ったときに偶然聞こえたんだ」

「……そぅ。……彼女達が勝手に言い触らしたのかと思った……」


 そう告げ、安堵した様に息をつく未来。

 その様子を不思議そうに見ていると、未来が口を開く。


「……んとね、その事で話があるの。だから……歩かない?」

「……あ、あぁ。構わないぞ?」


 ……その事で話ってつまり、俺に好きな男の事で相談って所か……。

 うーん、まさかこんな日が来るとは……いや、まあ覚悟してた事だからな。

 そんな風に納得させ、歩き始めた未来の隣をゆっくり歩いていく。

 穏やかな波の音が心地よく、吹き抜ける風が未来の艶やかな髪を撫でた。

 一瞬見えたうなじに、少しドキッとさせられながらも、俺も未来も黙ったまま砂浜を歩く。


「んとね……ヒルト?」

「ん、あぁ……」

「……好きな人、居るってのは本当の事なの」

「……
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