時宮遭遇
Trick50_なんのつもりかしら、“碧空(スカイ)”
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対安静の大怪我をしてきた人間が
どうやってこうなるまで動いたのか不思議でしょうがない」
「・・・根性?」
「・・・・まあ、いいよ。
君は学園都市理事の氏神くんと知り合いだったね?
と言う事は裏の事情に関わるだろうから深くは聞かない。
代わりに、大怪我しても死ぬ前に僕の所に来てくれよ?
絶対に助けるから」
「・・・優しいですね」
「それ以上に、君に抱かれている可愛い弟子が大泣きするからね。
可愛い女の子には笑顔でいてもらわないと」
「同感です。死ぬ前には絶対に会いに行きますし、
美雪に泣かれるのは絶対に嫌ですから」
答えを聞いてカエル医者はニンマリと笑い、病室から出て行った。
それから数分後は静かな時が流れた。
美雪は安定した寝息をたてている。
病状?も進行することが無いのは命医からのお墨付き。
ならば今は大人しく美雪の面倒を見ることが信乃の仕事だ。
と、自分自身ではそう思っていた。
カツ、カツ、カツ
廊下から響くヒールの音が聞こえた。
信乃達がいるのは特別個室。部屋だけでなく階全てが一般病室とは違う。
この階に訪れる人間は許可を取った特別な人間、もしくは病院関係者だ。
病院関係者が不安定な足元のヒールを履くはずがない。
ならば病室に訪れる事を許可を取った人間だろう。
ヒールの音は信乃たちがいる部屋に近付いてくる。
そして一番音が大きくなったときにドアが開かれた。
赤髪の女性が信乃を睨みながら入ってきた。
「なんのつもりかしら、“碧空”?」
「・・・・やっぱりあなたでしたか、氏神クロム。
できれば静かにしてもらえませんか? 美雪が眠っているので」
許可を取れる人物は限られているし、自分を訪ねて入院をして数時間後に来る
人物はさらに限られる。
この2つの条件を満たす人間は、学園都市にはこの人しかいない。
学園統括理事の一人にして四神一鏡のトップ
氏神 クロム
「私の知った事ではないわよ。
そんなことより、なんのつもりかしら?」
病人に対して≪そんなこと≫と言って切り捨てた。
いつもの姿はない。
ジュディスの母親として優しい表情も、小烏丸の支援をして微笑む表情もない。
「たかが学生一人が襲われただけよ。
あなたは早く戻ってハラザキの調査に参加しなさい、“碧空”。
無理すれば動けるでしょ。
そこにいる“大笑化薬”は私の方でどうにかする」
「人を呼称ではなく、名前で呼んでもらえませんか?」
名前ではなく、呼称を使う。
それは人間を“人”として
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