四話 「邂逅」
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し腹を満たしたとしても、結局この子供はいずれ死ぬだろう。
ただ、少しだけ苦しみが長くなるだけ。
何の意味もなく、誰からも悲しまれず、雪の中ただ死んでいく。ならばやはりこれは自己満足だろう。
それがきっと、俺にもあった可能性なのだろう。
あったかも知れない俺を助けるふりをして、自己満足を満たすだけの行為。
そんなことを思いながら無表情に子供の顔を見ていると、まっすぐに見返しながら子供が口を開いた。
「おにいちゃんも」
???何故、だろうか。
その口を開かせちゃいけない気がした。
言葉を言わせちゃいけない気がした。
どうしようもないほどの事が起こる様な、絶対的に何かがずれる様な違和感。
自分が否定されるような、世界が否定されるような。まるで、底なし沼へと踏み出すような悪寒。
突然ヴゥンとノイズが走る。だが、その予感をどうと思う間もなく、何か対処ができるわけでもなく、子供の口から言葉は出ていた。
朗らかに、優しげに……どこか楽しげに、子供は言った。
「僕と同じ目をしてるね」
????ズキン
頭の中のノイズが、痛みに変わっていた。
(?????っ!!!! こいつまさか!?)
その言葉で理解する。この構図で思い出す。
そして違和感の正体にやっと気づく。
(白、だとっ!? 原作キャラじゃねぇか! なんで気付けなかった!!)
それが、既視感と呼ばれるものだと。
元々無理な相談なのだ。描写が少なかった時代の容姿など、記憶には薄い。
覚えているのは僅かな台詞のみ。それで気づけという方が無理な話。だが、それでも呪ってしまう。
気づいてから見ればどうしようもなく記憶にある情報と合致する。
水の国。雪降る村。両親の死亡。生気を無くした目。中性的な整った顔。
それらがどうしようもなく心の平穏を乱す。
????ズキンズキン
頭のノイズは既に痛みにまで至り、“自分”を犯す危険性のシグナルを放っている。
(くそ、ミスった! 自分から近づくなんざ俺は馬鹿か!?)
急ぎこの場を去らなければならない。
自分から大きな変化を生むようなことなど、自殺行為だ。
その思いのまま、内心の動揺を隠しながらゆっくりと立ち上がる。
ここで大げさに動き、記憶に留まるような馬鹿な行為は侵さない。
出来るだけ印象に残らないように去らなければならない。
(こいつは再不斬に出会う未来がほぼ確定している。ここで変な印象を残すなんざ愚行だ。くそ、なんで飯なんか与えちまった!!)
その思いのままに体の向きを変え一歩踏み出し、
(こいつは再不斬につき、そして主人公達と出会う。たしかそれは原作始まって
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