四話 「邂逅」
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???チャリン
鎖の音が静かに響く。
一歩、ただ一歩と歩くごとに首元から軽い金属音が響く。
何度となく歩き、既に足の間隔は薄れ、地を踏むごとに届く衝撃だけが歩いていることを自分に感じせる。
???チャリン
首輪に繋がる短い鎖が前進に合わせ動き、近いはずのその音がどこか遠くの物の様に聞こえる。
定期的になるその音で、まだ自分は動いているのだと理解する。
????チャリン
程々に早い朝の時間帯。そもそも人通りが少ないこの道は、今の時間誰も見当たらない。
何も動くものが無い空間で自分だけが動いている。それが酷く場違いで、まるで、世界から弾かれてしまったかのようで。
そもそも自分などいらないのだと、世界から告げられているような錯覚まで覚えてしまう。
????チャリン
響く音が煩い。歩く足がイタイ。それでも前へ、前へと足が止まらないのだ。
寒さが、砂利の道が、そして自分の存在を理解出来ぬ自分自身が、そのイタミを薄れさせている。
何れ戻らなければいけないことは分かっている。だけど、少しでも世界に動きが欲しくて、少しでも人がいる方に行きたくて。
少しでも???自分を見てもらいたくて足が止まらないのだ
????『今まで騙していたのか!?』
????『違うの、そんな気は無くて……!!』
どうして自分を見てもらいたいのかなど分からない。だけど、辛いのに、寒いのに、足は前へと進む。
????『無理だ。悩んだ。悩んで悩んで悩んで……』
????『……! あなた、何を持っ……て………』
????『……済まない。だが、あの子の後直ぐに私も行く』
????『……どうしたの? おとうさん、おかあさん』
酷く遅いけれど、けれども確かに少しずつ、意識に反して体は前へと進んでいって
????『おかあさん? ねえ、おかあさん、おかあさん……。??っイタイ! ……おとう…さん……?』
????『????だなんて……。ゴメンな、お前は悪くないのに』
視界に移る、人が多く通る道は段々近くなってきて。
????『???が、ぁ』
????『……あ、あ………あああああああああああああああああああああああ!!』
????『……ゴメン、な。だけど……お前の中の??は……あっちゃ、ならないんだ。その??、は……争いを……呼ぶ』
人に、自分が見てもらえるのだと思って???
????『生きてちゃ、さ……いけないん……だよ。●●』
???足が止まった。
まだ道までは随分とあるのに、足が動かない。 今まで、どうやって歩いていたのか分からなくなってしまった。
止まった性でとうに感覚が薄れた足は、まっすぐに立つことも上手く出来ずよろめき、道端に寄って壁を背に崩れる。
????チャリン
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