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大人の階段登る君はビアンカ……
惜しむべき故郷、新たなる人生
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タローズ全体が共犯であるはずがない!
とてもキレイな村だった……
でも、二度と見る事が出来ないのね。

お父さんが町長さんに、私達の行き先を伝えていた。
ラインハットが私達を探しに来た時、答えられないと『隠し立てした!』と因縁を付けられる恐れがあるから、聞かれたら迷うことなく言うようにと……

だから私達はラインハット王国からも出て行く事になるのだ。
国外へ出てしまえば、いくら大兵力を持っていても、迂闊な事は出来ないはず。
それに町の人達が、私達を逃がしたと思われない様にする為、今夜遅くに逃げ出すのだ。
所謂『夜逃げ』だ!
深夜にアルカパを出て、ビスタ港から船に乗ってポートセルミへ…・

今はまだ無理だけど、何れは必ずリュカを探す!
大きくなったら私はリュカ達を探し出し、汚名を晴らす為に全力を注ぐ!
でも今は逃げる事しか出来ないのだ。
悔しいけど……悲しいけど……今は我慢なのよ!

凄く不本意な事だけど、私が見た最後のアルカパの景色は、涙でぼやけていた……
でも負けないわよ!
だって私はリュカの事が大好きだから!




私は生まれて初めて船に乗った。
こんな状況じゃなければ、もっと船旅を楽しめたはずなのに……
ビスタ港を出てから数日が経ち、船員さんが言うには明日にはポートセルミへ到着するらしい。
船に乗ってから教えてもらったのだが、私達の新たな家はもっと遠くにあるらしい。
ポートセルミで1晩泊まったら、直ぐに出発して山奥へと行くと言うのだ。

う〜ん……山奥かぁ……
サンタローズは素晴らしい村だったが、私には住みづらい場所だった。
正直言うと私は田舎暮らしが肌に合わないのだ!
時折訪れる場所として、サンタローズの様な山奥は素敵だけど、そこで暮らすとなると……
アルカパは都会だったから、私には暮らし易かったのになぁ……

でも、そんな事でへこたれる訳にはいかないわね!
私にはやるべき事があるのだから、それに向かって努力をしないと……
リュカを探す旅に出るのだから、田舎暮らし程度は楽にこなせないといけないわね。

それにリュカを見習わないとね。
リュカは野宿とか、平気でこなしていたわ。
パパスおじさまと一緒に、世界を旅して回ったから出来るのね。
私はリュカの為に、それくらい出来る様になってみせる!
そして必ずリュカを見つけて、一緒に……




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