第一話
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先生が戻ってきた。教室に入るぞ」
雄二に促され再び教室の中に入る。
そして教室に入ってきた教諭は、残っていた自己紹介の続きをやらせた。
同じような自己紹介を聞き流し、最後の一人――雄二の番となった。
教諭に名前を呼ばて席を立った雄二は、ゆっくりと教壇に歩み寄っていった。そして自信に満ちた顔で教壇に上がり、俺達の方を向いた。その後全体を見回してからこう言った。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。呼び方は好きにしてくれて構わない。さて、皆に一つ聞きたい」
そう言うと雄二は、教室の酷い所を一つ一つ見ていく。他の奴もそれにつられるように視線を移している。
――雄二はこう言うのが上手いねぇ。指揮官タイプって奴かな。
「Aクラスは冷暖房完備な上、座席はリクライニングシートらしいが――」
雄二はもう一度見まわし、告げる。
「――不満はないか?」
『大ありじゃあっ!』
Fクラスの男達が一気に叫んだ。本当に乗りノリのいいやつらだと思う。争うように不平不満を上げていっている。語気も荒れている。相当不満が溜まっていたようだ。
そしてそれを聞き届けた雄二は、最後にこう言った。
「――FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』をしかけようと思う」
だが彼らは分かっているのだろうか。努力をしたから他の奴は上のクラスにいったのだ。努力もせずに言うのはただの子供だ。姫路などの例外もいるが、ここに居ると言うことは、基本的な努力をしてこなかったからではないのか。
「くっ、くくっ……」
――だけどそんなことはどうでもいいんだよねぇ。俺は傍観者としてこの戦争を楽しませてもらうよ。せいぜい頑張ってくれたまえ。Fクラス諸君。
こうして俺達Fクラスと、他クラスの戦争の幕が上がったのだった。
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