暁 〜小説投稿サイト〜
文月学園の情報屋
第一話
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[9] 最初
先生が戻ってきた。教室に入るぞ」

 雄二に促され再び教室の中に入る。
 そして教室に入ってきた教諭は、残っていた自己紹介の続きをやらせた。
 同じような自己紹介を聞き流し、最後の一人――雄二の番となった。
 教諭に名前を呼ばて席を立った雄二は、ゆっくりと教壇に歩み寄っていった。そして自信に満ちた顔で教壇に上がり、俺達の方を向いた。その後全体を見回してからこう言った。

「Fクラス代表の坂本雄二だ。呼び方は好きにしてくれて構わない。さて、皆に一つ聞きたい」

 そう言うと雄二は、教室の酷い所を一つ一つ見ていく。他の奴もそれにつられるように視線を移している。
 ――雄二はこう言うのが上手いねぇ。指揮官タイプって奴かな。

「Aクラスは冷暖房完備な上、座席はリクライニングシートらしいが――」

 雄二はもう一度見まわし、告げる。

「――不満はないか?」
『大ありじゃあっ!』

 Fクラスの男達が一気に叫んだ。本当に乗りノリのいいやつらだと思う。争うように不平不満を上げていっている。語気も荒れている。相当不満が溜まっていたようだ。
 そしてそれを聞き届けた雄二は、最後にこう言った。

「――FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』をしかけようと思う」

 だが彼らは分かっているのだろうか。努力をしたから他の奴は上のクラスにいったのだ。努力もせずに言うのはただの子供だ。姫路などの例外もいるが、ここに居ると言うことは、基本的な努力をしてこなかったからではないのか。

「くっ、くくっ……」

 ――だけどそんなことはどうでもいいんだよねぇ。俺は傍観者としてこの戦争を楽しませてもらうよ。せいぜい頑張ってくれたまえ。Fクラス諸君。

 こうして俺達Fクラスと、他クラスの戦争の幕が上がったのだった。
 
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