おばちゃん談義
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「どうなると思う?」
「いやー、無理でしょ。普通に」
「ドーラちゃんには、可哀想なことしちゃったかしらねえ」
「そうねえ。けど、大丈夫でしょ。ヘンリーさんがいるし」
「そうねえ。でもそれもどうなのかしらねえ、ドーラちゃんのほうは」
「今のとこ、はっきり惚れてるってことは無さそうだけどねえ。憎からず思ってるってとこじゃないかね」
「あんないい男に、あんなに大事にされて、それでも靡かないなんてねえ。あたしには、無理だわー」
「あんたと一緒にしてどうするのよ。ドーラちゃんのほうこそ相当ないい女なんだから、そりゃあ一筋縄ではいかないでしょうよ」
「ヘンリーさんも、はっきり言っちゃえばいいのにね。あれだけわかりやすいのに、気付かないドーラちゃんがどうかとは思うけど。言ってしまえば、意外となんとかなるかもしれないのに」
「どうだかね。アランくんへの態度を見る限り、察しが悪いとも思えないのに。それで気付かないってなら、なんかあるんじゃないの」
「なんかって、何よ」
「さあ。なんかの理由で、気付きたくないとか?全くその気が無いとか」
「なんかの理由って何よ」
「食い付かないでよ。わかんないわよ、あたしだって。言ってみただけなのに」
「全くその気が無いってことは無いんじゃないの」
「わかんないわよ。近くにいすぎて恋愛対象に見れないってのも、よく聞く話じゃないの。家族みたいになっちゃって」
「ああ。十年一緒にいたんだものね。それは、あるかもしれないわね。隣で寝起きしてたって言うんでしょ?十年間も」
「でもヘンリーさんのほうは、そうはならなかったのよね。……気の毒に」
「……気の毒だわねえ、本当に」
「あら、アランくんが帰ってきたわよ」
「あら、本当。……ダメだったみたいね、やっぱり」
「さて!それじゃ、予定通り!アランくんを慰める会を、はじめますか!」
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