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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十一話:武士の一分
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たでござるな」

 静かに武器に手をかける、ピエール。

 って、おいおい。

「ひいいい……!やめっ、たすっ」
「あの世で存分に、悔い改めるが良い」
「待って待って!ダメだよ、殺しちゃ!さすがに!」

 止めに入ろうにもヘンリーにガッチリ捕まえられて身動きが取れないので、声だけで制止をかけます。

 ピエールが動きを止めて、肩越しに私をチラリと見やり。

 ナンパ兵士が、歓喜に彩られた声を上げます。

「ドーラちゃん!やっぱり、君も僕のことが」
「ピエール。やっちゃって」
「はっ」
「すみませんウソです許してください!!」

 イラッときた。
 マジでイラッときた。
 本当に殺られてしまえと、一瞬思ってしまうほどに。

 怯える演技もそろそろ必要無さそうなので、素で話すことにします。

「悪いと思うなら、ちょっと話聞かせてくれる?」
「勿論です!ドーラちゃんになら何でも、いくらでも!何なら二人の将来についてでも」
「……ピエール」
「ウソですウソです!!聞かれたことにだけ、何でも答えます!!」

 コイツのこのへこたれなさは、何なんだ。
 ピエールのお蔭で一応話は通じるようになったから、ひとまずはいいけれども!

 ヘンリーがナンパ兵士を睨み付けながら、私に囁きます。

「おい、ドーラ。何もこんなヤツから聞くこと無いだろ」
「町の人は、警戒して話してくれないかもしれないでしょ。素直に話してくれるって言うんだから、いいじゃない。もう危険も無さそうだし」
「……わかった。おい、お前。ドーラは、俺のだからな。手、出すなよ」

 相変わらず私を捕まえたまま、ナンパ兵士を威圧しつつ牽制するヘンリー。

 俺のとか、素の状態で言われるとなんだかなあ。
 その設定を継続しておいたほうが安全ではあるんだろうから、いいけれども。

「くっ…………わかった…………」

 ヘンリーの威圧にしばし耐えながらも、結局は屈してがっくりと項垂れるナンパ兵士。
 間がやたら長かったが、これで本当に諦めたということで、大体いいんだろうか。

 ピエールが武器から手を離し、踵を返します。

「では。ここでは目立ちますゆえ、少々場所を変えましょう。少しでもおかしな真似をすれば……わかっておろうな?」
「はい!勿論です!」

 ビシッと敬礼して答え、ヨロヨロと立ち上がるナンパ兵士。

 目立たない場所に向かって歩き出すピエールをすれ違いざまに捕まえて、声を潜めて聞いてみます。

「ピエール。さっきのアレ。……本気だった?」
「……ドーラ様にこのような真似をさせた奴めと、己れの不甲斐なさに対する怒りは本物にござります。偽りの関係や態度を装われたことには気付いておりますゆえ、ご心
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