星屑の覚醒
12 動き出す知者
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「そういえば...僕は電波変換した!連中に襲われた時....咄嗟に...」
「ええ、あなたは電波変換したわ。私たちの目の前で、降ってきた隕石に激突した瞬間、あなたはロックマンそっくりの電波人間へと姿を変えた」
ハートレスは今まで忘れていたのかと皮肉たっぷりに彩斗に言う。
殺人の目的、凶器などは瞬時にして分かった。
凶器はマテリアライズされた刃物、目的は友達を傷つけられた事への恨み。
だが反面、電波変換には理屈が必要だ。
何らか原因が存在するはずだった。
「何故かは知らないけど、あなたのトランサーに電波変換用のプログラムが強制インストールされた。そしてそれに必要な電波体も....あの隕石に乗ってやってきたわ」
「何だって?」
彩斗は枕元で充電されているトランサーを開いた。
開けば相変わらずのホーム画面、丁寧に並べられ、壁紙は自分のお気に入りの深海。
通信電波も最新世代通信、室内のWi-Fiに繋がっている。
だがいつもと違うことがあった。
新たなアイコンが追加され、削除されていたのに昨晩いきなり現れた『BEGINS.EXE』。
「ウィザードがインストールされてる....。『トランス・アドバンスド・システム・ザ・ハイブリッド』?」
トランサーの上方画面にはウィザードが無表情にこちらを見ていた。
白に近い灰色をした狼のような鋭い爪と尾と頭部、そして鷹のような翼を持ったウィザード。
全身に何箇所かの青いラインが走り、黄色い目という外見だ。
ウィザード名の部分には『TRance Advanced System the Hybrid』とある。
だがおかしいこと尽くした。
まずステータス情報が何も表示されない。
「何なんだこいつ....全部データが暗号化されてる」
「ええ、あなたが寝てる間にスキャンさせてもらったけど、全部プロテクトが掛けられた完全なるアンノウンのウィザード。幾つか分かったことは自然発生したわけでなく、人為的に数体のウィザードやデータを組み合わされた混血種。おまけに言語データが削除されて会話できないクズよ」
「この『Project S・D』っていうのは?」
「さぁね?このウィザードが開発プロジェクトってところかしら?」
「一体誰が?」
「さぁね?でも流石に『トランス・アドバンスド・システム・ザ・ハイブリッド』は言いづらいわ。作った人間はなんて呼んでたのかしら?」
「じゃあ...この名前の頭文字を取って行って『TRASH(トラッシュ)』っていうのはどうだい?ピッタリじゃないか?喋らない、動かない、意味不明だったら」
「....どうしてこのウィザードがあなたのところにやってきたのか......何か心あたりがあるでしょう?でもあなたは口を割る気はないでしょうけど」
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