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ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode3 理由
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のこともアカリのこともこの場で知っているのは俺だけなので、紹介は俺からすべきなのだろう。

俺の後ろに隠れていたアカリの後ろに回り込むように移動し、三人がそれぞれを視認できるようにしてから一人ずつ紹介していく。

「まず、そっちの黒い髪の人がジンさん。で、そっちの銀色の髪がアキ」
「なんで僕だけ呼び捨てなんだ!」

間髪を入れずに噛み付いてきたアキを極力顔色を変えないようにしてスルーし、言葉を続ける。

「で、こっちがアカリ」

と俺が言い終えるが早いか、素晴らしい速度でしゃがみ込んだジンがアカリの手を取った。そして、

「そうか!君が噂の!」
「ふぇっ?」

と気になることこの上ない発言をした。

「…噂?」
「そう!君は聞いたことないかい?《迷宮少女》って、もうかなり前なんだけど」
「………」

知らないわけがない。少女、その言葉が指すところは紛れもなくアカリなのだから。ついでに《迷宮少女》関連の事件は俺だって当事者である。だが、何故…。

「なんでそれを…」

喘ぐように漏れた声に、ジンが爽やかなその笑顔を二割ほど増しながら答えた。

「噂ってそういうものじゃないかな?」

その答えは一見何の意味も持たないようだが、実は的を得ているように感じた。噂とは、世間で言い触らされている確信のない話だ。

実際のところ、俺もあの時知り合ったばかりのシスイから噂の域を出ない《迷宮少女》の話を聞いた。そのシスイもおそらくどこかからその話を聞いたのだろう。…彼女が噂の出自である可能性は大いにあるが。


結局のところ、誰が誰のどんな噂を知っていたところでそれは全く不思議ではないのだ。

などと俺が一人脳内で哲学を終え、こっそりため息をついていると、頭を叩かれたダメージから復活したのか不機嫌な顔をしたアキが口を挟んできた。ちなみに頬を膨らませた今の顔はどちらかって言うと女の子っぽい。

「なに『いい事言った』みたいな顔してんだよ、ジン。それすっごく鬱陶しい」
「鬱陶しいはひどくないかなぁ?」
「それに!」

ジンの方を向いていたアキがこちらを振り向いた。

「お前も噂くらいで『なんでそれを…』とか言ってるんだよ!そんなんだからソッコーで前線組から外れるんだよ!」
「むっ…」

とばっちり的な悪口を受け即座に俺は言い返すべき言葉を考えた。

俺が前線から離れたのは理由がある。その内訳はオレンジになったことやら、嘘の手配書を出されたことやら、アカリにあちこち連れ回されたやら、現在進行形で連れ回されているやら…。いやいや、最後の二つはなんか違う。そもそもこれじゃ反論じゃなくて言い訳だ。

その時、当時の自身の行動を振り返っていた俺はちょうどいい事柄を思いついた。それは頭の中
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