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占術師速水丈太郎  ローマの少女
第二十三章
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うやらそうらしいですね」
「全く。イギリス人の舌はわかりません」
 世界中で言われている言葉であった。彼等がしているだけではなかった。
「そうは思いませんか?」
「あえてそうした店は避けておりますので」
 速水は答えた。
「そうなのですか」
「はい、大体わかります」
「それは直感で」
「まあカードで」
 今度は微笑んで答えた。
「わかるのですよ。その店が美味しいのかどうかは」
「イギリス料理の店はどうですか?」
「駄目ですね」
 言うまでもなく首を横に振った。何か既に決められた話をしているかのようなやりとりであった。


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