決勝戦〜中編〜
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ていた二千隻はテイスティアとコーネリアの艦隊が向かうと、逃げだして再びBとC地点に攻め始めた。
だからこそ、テイスティアは防御施設Bの周回にいるのだが。
そこからB地点に攻めていた艦隊も合流して攻勢を仕掛けたのだろうか。
時間的には可能。
だが、それはあくまでもぎりぎりの時間。
わずかな連携の乱れで間に合わないかもしれない。
ましてや決定された時間ではなく、敵の動きで変化する戦況で、だ。
それならば、テイスティアであれば残る二千で、さらにワイドボーン率いる本隊を引き込んだだろう。
自然と、テイスティアの手が動き、艦隊の進行方向を変えていた。
何かおかしい。
その想いだけで実行した行動――だが、それが、アレス艦隊を救う事になった。
+ + +
後方から一斉に攻勢を受けた右翼は、大きく陣形を乱した。
その崩れを見逃すことなく、アレス艦隊は右翼に方向を転身。
右翼に一撃を加えて、包囲網から脱出する事に成功した。
『だ、大丈夫ですか。アレス先輩』
「ああ。助かった。でも、何故こんなに早く?」
『その、何となく……です。何となく、変だと思って』
「随分と頼もしい何となくだ。ワイドボーン先輩にはそれを言ったのか?」
『あ。あ、いや、その……忘れてました。伝えるの』
「……」
『えっと、その間違えていたらどうしようと思って』
「テイスティア。間違えた情報を伝えるのはいいとしても、せめて自分の艦隊の動きくらいは、総司令官に伝える必要があると思うぞ」
『その、ごめんなさい』
「まあ、いいさ。おかげで助かった。終わったら、俺も一緒に叱られてやる」
『ありがとうございます』
「そこはごめんなさいだろう」
小さく笑いながら、アレスは通信を打ちきる。
アレス艦隊に合流したテイスティア率いる二千隻。
対するヤン艦隊も、一斉に攻勢を仕掛けることはない。
一度艦隊を引いて、こちらの様子を見ている。
助かった。
しかしながら、いまだ戦力は四倍近い差がある。
両軍が陣形を整え――再び激突を開始した。
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