マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
大望のために……
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の中。
天窓から入ってくる月光がユウキのあどけない寝顔を照らす。家のメニューを操作し、それを遮断すると俺はゆっくりとその頭を撫でた。
すぅ、と静かな寝息をたてるユウキは寝てもログアウトすることはない。
一般プレイヤーと違ってユウキのフルダイブ機、メディキュボイドは脳波を測定する機能があってもそれが睡眠パターンになってもログアウトしないように出来ている。
それは本来、麻酔による痛覚遮断をメディキュボイドの体感覚キャンセルで代用するという仕様だが、現在のユウキのバイタルは極めて良好。
もし『神医』直々に彼女を担当していなかったならこうは行かなかっただろう。
「……だからまだ、死んでもらうわけにはいかないんだよ」
ここに来る前に読んだ報告書。
そこには非常事態を告げる物があった。
『山東家に動きあり』
その文字を見た瞬間、俺は通信規則をがん無視し、祖父そして親父に電話を掛けた。
両者の対応は素早かった。祖父は各地に散る水城家朗党に当主勅命の緊急召集を掛け、親父は彼の超法規権限による命令で英国の軍用衛生を一機確保、山東家本宅とその半径5キロ四方の常時監視を開始した。
動きがあれば水城家の連絡網に即座にそれが流され、対応が取られる。
アンダーグラウンドで《巌鉄》、《剣帝》と畏怖される2人が異常なまでの警戒心を即座に発し、備えた理由には山東家はもともと日本国内で特T級の要注意団体であり、山東家及び他6つの《七武侠》からも忌避されている、というものの他に今回、彼らのターゲットたる人物が問題だった。
その人物こそ『神医』水城雪螺だ。
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