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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十話:ラインハット城下町
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屋にはならない!さあ、どっちにする」
どちらも選ばないならもういい、ここで解散だ。
私はスラリンとふたりで、この先も頑張る。
という意志を込めた私の強く冷たい視線に、ヘンリーとピエールが顔を見合わせ。
「……一部屋で……」
「承知にござる……」
「よし。じゃあ、一部屋!四名、お願いします!」
「は、はい。毎度」
呆気に取られて成り行きを見守ってた宿のご主人が、私の急なフリにもきっちり仕事を果たし、部屋の鍵を渡してくれます。
うん、プロだね、彼は!
部屋に入って荷物を下ろし、鎧を外して身軽になって、念のため武器を目立たないように身に付けた状態で、再び町に出ます。
ヘンリーが余計な情報提供をしてくれたせいか、ピエールの警戒感が半端無いことになってるのですが。
「……ピエール。怪しまれるからさ、そこまですると。やめようか」
抜刀こそしてないものの、武器に手をかけて、いつでも斬りかかれるような状態で。
周囲に睨みを利かせるとか、目立って仕方ない。
「はっ!申し訳もありませぬ!拙者が未熟ゆえに、そのように目立ってしまっていたとは!少々、控えます」
「うん。そうして」
なんだろう、これに比べたらヘンリーとか、可愛いもんだったよね。
やたら手とか繋いでこようとする以外は、ぱっと見は普通の態度だったし。
十年の積み重ねの成果かもしれないが。
……十年、妨害され続けてるんだよなあ……。男性との接触を。
私の脇がいまいち甘いのって、コイツに守られ過ぎてるせいじゃないだろうか。
と、ピエールが威圧感を抑え、私が視線と意識を遠くに飛ばした瞬間。
「そこのお嬢さん。この町は、初めてですか?案内は、必要ではないですか?」
ああ、またか。
ていうかこれだけイケメンやら魔物やら、強そうな面々に囲まれてるのに声かけてくるとか、どんな猛者だ。
なんだか嫌な既視感を感じるが、とりあえず顔を拝んでおくか。
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