魔法先生ネギま!
0400話
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てしまえばその時点で対抗するのは不可能になってしまうのだ。
この時もそうだった。魔神と化したアクセルは、当然その魔法的な抵抗力は並外れたものを持っている。何しろ数万を超える精霊とまともにぶつかりあっても傷一つ負っていないのだから。本来、精霊というのは火の精霊であれば基本的にその身体は火で構成されており、当然その身体へと迂闊に触れた者はその火によってダメージを受ける。だが、アクセルはそんな精霊達へと突っ込み、牙で喰らいつき、鋭い爪で切り裂き、竜の如き尾で砕いたのだ。自分自身は無傷なままで。それだけでもアクセルの魔法的な抵抗力、防御力が圧倒的なのは明らかだった。
だが。
「GYAAAAAAAAAA!」
その、数万匹の精霊達をもものともしないアクセルが、美砂が持つセイレーンの涙の効果により黄の領域の中で抵抗出来ずに吠えている。
「GURU……RUUUUUU」
そしてやがて美砂の歌声により気持ちが落ち着くかのようにその声も小さくなってく。
しかし、それでも……そう、それでも今のアクセルを完璧に押さえつけるのは無理があった。
「その調子ですわ。後はこのまま……」
あやかが期待を込めて呟いたその時。ほんの僅かな、それこそ一瞬の気の緩み。
「GYAAAAAAAAAAAAAA!」
己の四肢を絡め取っている鮮血の鞭、その力がほんの一瞬だけ緩んだその隙を本能的に動いているアクセルが見逃す筈も無かったのだ。
「キャアッ!」
四肢に絡んでいる鮮血の鞭を強引に引っ張られ、あやかの身体が前へと引っ張れる。そうすると当然鞭の拘束も緩くなり。
「GUOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」
アクセルの規格外とも言える力と魔力により、鮮血の鞭を操るあやかを引きずったまま黄の領域を抜け出す。
「あやかっ!」
アクセルが黄の領域を抜け、その結果引っ張られたあやが黄の領域へと囚われたのを見た千鶴は即座に黄の領域を解除する。
「……え?」
ふと何かに気が付いたように首を傾げる千鶴だが、事態はそんな千鶴を置いていくかのように進行する。
「アクセル君、止まって!」
空中を自由自在に飛び回りながら、その手を幾度となく振る円。その度に炎のラインがアクセルの前へと現れるのだが、炎の能力が色濃く現れた魔神と化したアクセルにとっては炎など特に気にする程の物では無いらしく、その歩みを止めるどころか緩める事すら出来無かった。
「お願い、アクセル君……止まってえぇぇぇっっ!」
炎のラインでは効果が無いと悟ったのだろう。円はその叫びと同時に直径1m近い炎の塊を作り出す。
アクセルが炎に対して強力な耐性を持っているとしても、今現在の円に出来る最大限の攻撃は純炎の涙を使っ
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