第五十五話 感傷と干渉
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れば、確実に自分たちは敗北、撤退をする事になるだろう。そうなれば、後方に存在しているコロニーレーザーの制御を担っている部分はがら空きになるのだ。
「それに気づかれれば我々の敗北か……」
そのような賭けのような作戦を取らずとも、艦隊を盾にして犠牲を増やせば持ちこたえれるはずだ。しかし、それを艦長はあえて選択せずに、味方の犠牲を増やさぬ様な選択を取り、逆にコロニーレーザーを止められるリスクの上がる選択をした。
「本当は、止めてほしいのかもしれんな―――このような大量殺戮兵器を」
「艦長……」
そう呟いた艦長の言葉に副官は複雑な気持ちで何も言えずにいた。
◇
コロニーレーザーとレクエイム周辺で戦闘が続けられている中、戦場から離れた一角で何機かのジン長距離強行偵察複座型がデブリを捜索していた。
『どうだ、見つかったか?』
『いや見つからねえな―――けどよ、元々同系統のものが多いから外装でも見つからないと区別がつかないと思うぜ?』
母艦のナスカ級を中心にして、デブリ地帯の残骸を漁っていく。その姿は一見ジャンク屋かハイエナ風情の海賊だと勘違いしそうな状況だ。しかし、彼らはザフト軍に所属しており、これは正式な命令だった。この場所のデブリの多くはコロニーレーザーによって破壊されたゴンドワナを中心としていた艦隊やMSの残骸なのだ。
殆どが原型すら留めておらず、MSなどは完全に消え去ったものもあるのだろう。それらの残骸を一つ一つ調べていく彼らは、それが下された任務だからこそだ。元々戦闘能力の高くない強行偵察用のジンでは戦場に出向いた所で役には立たないのも理由の一つだろうが。
『それにしても、酷いありさまだな……呪われそうだぜ』
『おい、止めろって。そんな事言ったら本当に呪われて死んじまうぞ』
『え、お前ってジンクスとかそういうの信じるタイプなの?』
会話をして気を紛らわせながら作業を進める数機。そんな中、一機のジンが目的のものを見つける。
『あったぞ、こいつだ―――』
『本当か?』
『ああ、殆ど焼け落ちてるが装甲の色が特徴的だ。連合艦とも思えないし多分コイツだろうぜ』
装甲がローズレッドと思わしき色であり、部品の特徴もザフト軍のパーツと酷似している。少なくとも中継ステーションで敵が巻き込んだ連合製の艦ではないだろう。
『よし、この周辺をくまなく探せ。運が良ければ残骸はまだ残っている筈だ』
ジンが他にも残骸が残っていないかを調べだす。
『しかし、この様子じゃあ脱出ポッドとかシャトルで脱出してたとしてもお陀仏でしょうね……』
『どの道、生存は絶望的だ。攻撃範囲そのものが広かっただろうからな』
そうやってしばらく周辺を探し続け、予
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