魔法先生ネギま!
0399話
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クガクと震えさせながらもその存在から視線を外せない。
グリフィンドラゴンもまた、以前自分が屈服した時の事を思い出したのか先程までの精霊の群れ相手に見せていた勇姿がまるで嘘のように地上へと降り立ち、あお向けに寝そべって腹を見せて服従のポーズを取っている。
そして、アクセルの従者であるあやか、円、美砂は期待と不安が半々といった様子でそこへと視線を向け、茶々丸も同様にそこ、即ち赤の領域へと視線を向ける。
「アクセル、君?」
赤の領域の中でアクセルを力一杯抱きしめていた千鶴は、自分の抱きしめていた存在がアクセルのような、あるいはまるで違うような存在になってしまったような気がして思わず声を掛ける。
そして……
「GRYUUUU」
その口から漏れた声は、アクセルという人物から漏れた声だとはとても思えないような声だった。
「GYAAAAAAAAAAAAAAA!」
抱きしめていた筈の千鶴の腕から、いつの間にか……本当に気が付いたその瞬間にはアクセルの姿は消えていた。声のした方へと振り向くと、甲板の端へと立っている存在が千鶴の……いや、その場にいた全ての存在の眼に入ってきた。
それを見た者は言うだろう。悪魔だと。魔族だと。あるいは魔神だと。
それ程に現在のアクセルの姿は先程までとは違っていた。
額から伸びる深紅の角。側頭部から伸びる2本の漆黒の角。後頭部から側頭部の角の下を通って前方へと伸びている2本の漆黒の角。背中には魔力と炎で形成された羽。ここまではその場にいる古菲以外は既に見慣れた異形化を使ったアクセルの姿だった。
だが、今はそれだけではない。その口からは、まるで吸血鬼とでも言うような犬歯が2本伸び、腰の辺りからはドラゴンの尾とも見間違わんような尾が伸びている。また、両手の指先から伸びている爪は鋭く尖り、鋭利な刃物のように見えていた。肩からは背から生えている羽ではなくまるで鳥の様な翼が生えており、アクセルが従えたグリフィンドラゴンのように羽と翼が1対ずつその背と肩に存在していた。
そしてその存在の周囲には炎の塊が幾つも浮かび、まるで主を守るかのように蠢いている。
「GUOOOOOOOOOOO!」
吠える。アクセルが行った事はただそれだけだった。だが甲板の上にいた数十匹の精霊は、その魔力の籠もった吠え声を聞いただけで粉みじんに砕け散る。
「GYAAAAAAA!」
続いて行ったのは、自分が今立っていた場所を蹴って空中にいる精霊の群れへと突っ込む事だった。本来であれば瞬動を使って初めて出せる筈の速度をただ飛行船の床を蹴るというだけで出したアクセルは、そのまま2対の羽と翼を羽ばたかせて当たるを幸いに精霊を消し飛ばしていく。そして不意に手を伸ばし、風の精霊をその手で掴み取ると
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