魔法先生ネギま!
0399話
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人は自分が心の底から愛してしまった人なのだから、と。
「千鶴っ! ええい、邪魔しないで!」
多数の精霊に群がられている守護領域を視界に入れた美砂は、己のアーティファクトであるセイレーンの瞳を握りしめながら歌を歌う。その効果により精霊達の速度は遅くなり、その隙を突いて古菲が守護領域に群がっている精霊を駆逐していく。
(アクセル君、アクセル君、アクセル君……このままお別れなんてないよね? 絶対にそんなのは許さないんだから!)
本来は自分の親友が恋をした相手。その相手とアクセルをからかっていた自分。だが、いつからだろうか。その存在が自分の中で存在感を増してきたのは。本当に、いつの間にか自分はアクセルという存在に惹かれていたのだ。そして、結局自分は親友と同じ人に恋をしてしまった。その人の側にいたい。それだけでこんな奴隷や賞金首がまだ存在しているような場所まで来てしまった。本来であるのならただの女子中学生である自分が。アクセルという存在がいて、初めて今の自分が成立する。それ程までに相手にのめり込んでしまったのだ。
「精霊共よ……アクセルさんは決してやらせはしません!」
茶々丸がその銃と剣を縦横無尽に振るいながら、美砂の動きによって速度の落ちた精霊達の間を踊るように通り抜ける。剣の一閃で精霊が切り裂かれ、銃の乱射で複数の精霊達が砕け散っていく。その踊り狂う様は、まさに死の舞踏とでも表現するべき物だった。
茶々丸にとって、アクセルは最初は自分のマスターの友人という存在だった。しかし、その彼と付き合っているうちに自らの心の中に芽生えたその感情。何でも出来そうなのに、肝心な時に何か失敗しそうなその様子に、気が付けばいつの間にか茶々丸の視線は吸い寄せられるようになっていた。
それが一種の母性、というものである事は茶々丸にも理解出来ていた。機械で出来た自分が母性を持つとはどういう巡り合わせかと悩みもした。本来ならアクセルの従者達のように恋心を持つのが普通ではないのか、と。だが、それでも。例え自分の抱いている気持ちが恋が変わった愛ではなくても。例えその身に宿るのが母性だとしても。
「それでも私はアクセルさんを愛している事には変わりないのです!」
4人の従者と、1人のガイノイドの心が1つになったその時。ソレは起きた。
ドグンッ!
と、力強い脈動のようなものが周囲へと響き渡ったのだ。
そしてその脈動が起きた瞬間、周囲一帯の全ての存在が動きを停止する。
飛行魚のスタッフが突然湧き上がってきた恐怖心により床へと倒れこみ、まるで幼児が己を守るかのように膝を抱えて丸くなり。
精霊達は今までの混乱……否、狂乱がまるで嘘であったかのように、その場で動きを止め。
古菲は意味もなく襲ってきたその恐怖に足をガ
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