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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第151話】
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そうだな。何にしても鈴音、助かったよ」

「……わ、解ればいいのよ。あたしに感謝しなさいよね。とりあえず、今度ご飯奢りなさいよ」

「き、気が向いたらな」



 曖昧な返事をする俺に、納得いかない様な表情を浮かべたが、次の瞬間には八重歯がキラリと見える満面の笑みを浮かべていた。


「ヒルト、無茶はしないでよ?皆も心配しちゃうし……ね?」

「ん……可能な限りは善処するよ、シャル」


 そう伝えると困ったような笑みを浮かべるシャル。

 だがそんなシャルに、思いきって笑顔で応えるとびっくりし、別な意味で困ったような表情になり、頬を赤く染めた。

 もしかすると、ただ夕闇の朱色の光を帯びていただけというオチかもしれないが。


「しかし、結局福音は何故暴走をしたのだろうな……」

「……わからん。ただ、ISってそんな簡単に暴走する代物じゃない――だろ、ラウラ?」

「う、うむ。……ヒルト、あまり私を心配させるな」

「……ははっ、これも可能な限りは善処するさ、これが」


 ラウラにそれだけ告げ、福音の操縦者を抱き抱え直すと。


「……この人、大丈夫かなぁ?」

「……脈拍も正常だし、問題ないだろ?念のため直ぐに検査はするだろうが」


 美冬が操縦者の顔を覗き込む。

 よく見ると、物凄く美人だったりする。


「……ヒルト、鼻の下伸びてる」

「う?――伸びてないって、未来」

「……どうだか。――皆、そろそろ戻ろ?一応作戦完了だし……ね?」


 そう言う未来に、皆が軽く頷くとゆっくりと花月荘へと戻っていく皆。

 俺は再度空を眺める。

 夕日は地平線の彼方へとゆっくりと沈み、深淵の夜へと誘う。

 だが、そんな深淵の空からは星々の光が降り注ぎ、月が明るく海を照らすだろう。


「お兄ちゃーん、置いていくよー?」

「ん?……あぁ、今行くよ」


 福音の操縦者を抱き、俺は空を飛ぶ――。

 一年生皆が待つ花月荘へと――。
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