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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第151話】
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 言って顔を背けるムラクモは、その耳まで真っ赤に染まっていた。

 そんなムラクモを見、苦笑していると――。


「わーらーうーなーッ!!」

「ははっ、悪い悪い――じゃあ戻るか?」

「……むぅ。じゃあ……はい」


 そう言ってドアを粒子形成させ、開くとそこにはやはり光の奔流が流れていた。


「帰りはやっぱりドアなんだな」

「何?エスカレーターの方がいいの?」

「いや、そうじゃないが――何て言うか、こういうのでたまにキスされて現実に戻るのもあるだろ?」


 そんな何気無い言葉に、顔を真っ赤に染め上げ、怒りながらムラクモが――。


「ば、バカじゃないの!?そんな訳ないでしょ!――とっとと帰りなさいよ!えいっ!」

「ぅおっ!?ば、バカ、蹴るなよなああぁぁぁ……………」


 ムラクモに勢いよく尻を蹴られ、呪詛の言葉を叫びながら光の奔流に飲まれていった――。

 残されたムラクモが、一人呟く。


「……バカ、そんな簡単にキス出来るわけないじゃなぃ……」


 そっと指で自身の唇をなぞる――だが、その行為が恥ずかしくなり、ムラクモ自身も福音のコアから姿を消した――。



――福音との交戦空域――


 再び時が戻る感覚が全身を伝い、意識が覚醒すると触れていた福音の装甲が消え、操縦者が重力に引かれようとしていた――。


「ぅおっ!?いきなりかよ!!」


 落ちそうになった操縦者を掴み、お姫様だっこして抱えると――。


「ヒルト、どうやら終わった様だな?」

「ん?――あぁ、終わったさ……長い一日だったな、皆」


 そう告げる俺の周囲には、皆が集まっていて――。


「すげぇなヒルト。どうやって福音を機能停止させたんだ?」

「……別に、特別な事はしてないさ、これがな」


 一夏の問いに、俺は普通に答える。

 特別何かした訳じゃない、ただ謝って、頭を撫でてハグしただけだしな。


「ふん。どうせ機能停止寸前だったのだ。有坂が何かをしたから福音が止まった訳ではないだろ?その前の一夏と私の連携が効いたんだ」

「……かもな」


 まるで最初から二人で戦っていたみたいに言う篠ノ之に、皆も微妙な笑顔で応えた。


「ですが、漸く終わりましたわね、ヒルトさん」

「あぁ。セシリア、パッケージ失ったが大丈夫か?」

「えぇ、あれぐらい些末な事ですわ。皆さんが怪我をなされる方がわたくしは嫌ですから」


 そう髪をかきあげ、ふわりと靡くその金髪は優雅に夕闇の朱色を浴びて輝いていた。


「あんたも、もう次からは一人で行かないでよ?皆がいるんだし」

「……
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