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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第151話】
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冷たいの嫌いだったか?」

「ぅぅん。……ちょっとつめたくてびっくりしちゃったの。……ぇへへ」


 撫でられるのが心地いいのか、目を閉じ、ふわふわとした笑みを浮かべながらその感触を楽しんでいる。


「ごめんな、福音?――でも、君を止めないと沢山の人が傷付くと思ってお兄ちゃん、君を叩いたんだよ。……悪いお兄ちゃんだな、俺」

「……でも、おにぃちゃんの手……すき……」


 言って、撫でていた手を両手で握る福音。

 その行為に驚いたが、俺は直ぐに柔らかな笑みを返した。


「……おにぃちゃん。ごめんなさぃ……」

「ん?どうして謝るんだ?」

「……いっぱぃ、めぃわくかけちゃった」

「……暴走の事か?……望んで暴走した訳じゃないだろ?」

「ぅん……。ぃぃ子にしてたんだけど……【なにかがあたしのなかに入ってきて】こわくなっちゃって……」

「…………」


 何かが……そう告げる福音は、当時の事を思い出したのかまた身体が震え始めた。


「……福音、もう大丈夫だ」

「おにぃ……ちゃん?」


 震える福音を、そっと抱きしめて髪を撫でる。


「もう君は暴走したりなんかしない。――仮にまた暴走しても、お兄ちゃんがまたこうやって君を抱きしめに来るよ。……だから安心しなよ。――さっきまで叩いてたお兄ちゃんがこんな事言うの、おかしいかもしれないがな、これが」

「……ぅぅん。おにぃちゃん……ぁりがとう……♪」


 震えが止まった福音。

 そっと離すと、少し眠たげな表情を浮かべると――。


「ん……なんだかねむくなってきちゃった……」


 こしこしと目を擦る福音――と、これまで黙っていたムラクモが口を開く。


「ヒルト、福音の活動限界が近い。――そろそろ戻らないと」

「……そっか。福音、一人で眠れるか?」

「ん〜……ぃぃ子だからだいじょぅぶ……」


 うとうとし始める福音の頭を撫で、俺は立ち上がると――。


「……おにぃちゃん……?……また、会いにきてくれる……?」

「……もちろんだ。また会おうぜ、次はもっと色んな話して遊ぼう」

「ぅん……♪……やくそく♪」




 年相応の少女らしさの笑みを浮かべる福音は、眠気には勝てずにそのまま眠りにつく。

 光の繭に包まれ、福音はふわりとその場で浮くと規則正しい寝息をたてた。


「……ヒルトのロリコン」

「……ムラクモ、別に俺はロリコンじゃないぞ?」

「どうだか……ふん」

「何だよ、ヤキモチか?」


 冗談でそう言うと、顔を真っ赤にしながら。


「う、自惚れないでよッ!ヤキモチ何か妬かないもんっ!!
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