第百一話
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ふざけるんじゃないわよッ!! 何で今、蜀を攻撃しなければならないのよッ!!」
夜半、部下から起こされた詠は使者からの言葉に憤怒した。
「ですが我々が発見した死体には仲の鎧や仲の旗があったのですぞ? それをどう説明するのですかな?」
「だから知らないわよ。蜀を攻撃理由は此方に無いわ。魏の残存兵力じゃないのかしら?」
「……成る程、魏に罪を着せるおつもりですな?」
「ふざけるんじゃないわよッ!! 推測で物を言うんじゃないわよ」
「……宜しい。今回は帰りましょう。ですが、仲の兵士の死体だと此方は確信していますよ」
使者はそう言って江夏に帰るのであった。
「……恋、攻撃した?」
「……してない」
詠の言葉に恋は首を横に振った。
「そうよね……今の蜀に攻撃出来るわけがないのよ……」
詠はそう呟き、急ぎ健業に使者を送って念のために戦闘準備を下命した。
――健業――
「何ッ!? 我々が攻撃したとッ!?」
詠からの使者に美羽は驚いていたが、それは俺達もだ。
「……天の御遣いと軍師二人の仕業じゃな」
「美羽もそう思ったか?」
「うむ、あの三人は我等が持つ大砲と……そして長門、御主を恐れておるのじゃ」
「……俺が未来人だと気付いていると?」
「そう思わんとこの行動は一致しないのじゃ。兎も角、奴等が戦を仕掛けてくるのは間違いないのじゃ」
「軍を派遣しますか?」
「派遣はするが、それを先にしたら向こうは戦を始めるじゃろう」
「なら偽装しましょう」
「うむ、それでいくのじゃ」
七乃の具申に美羽は採用した。
「軍は江夏との国境に七万を派遣するのじゃ」
「荊州方面は?」
「荊州方面には荊州の地形に詳しい劉ソウ殿を向かわせるのじゃ」
「分かりました。一兵たりとも仲には入れさせません」
劉ソウはニヤリと笑った。
「十万の大将は長門。御主に任せるのじゃ」
「分かった。人選は?」
「長門に任せるのじゃ」
美羽の言葉に俺は頷き、そこで解散となった。俺は玉座にいる美羽に近づいた。
「長門、アレはどうなっているのじゃ?」
「真桜達工作隊を総動員している。完成まで暫く掛かる」
「分かったのじゃ。出来るだけ時間稼ぎを頼むのじゃ」
「あぁ」
俺は美羽にそう言って人選に取り掛かった。派遣する武将は孫呉から雪蓮、蓮華、冥琳、思春、穏。魏からは曹操、春蘭、秋蘭。他は焔耶、クロエ、ロッタ、星、司馬懿だ。他は健業で軍勢を整えて待機の予定だ。
「えぇ〜うちらは?」
「そうだそうだ」
霞と桜花が不満な表情をしているけどな……
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ