暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 孔明 鳳統 劉備
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……で、食べていらっしゃるようですが、お口に合わなかったので?」
「いんや? いろいろ惜しいという感じではあるけど、料理人としてはそこそこだな。できればもう少し香辛料や、唐辛子を増やすとか料理に特徴をつけるといいとは思うけど」

 あわわわ……
 ご、ご主人様、凄い度胸。

「ほほう……では、お客さんは俺よりも旨いものが作れると?」
「うーん、俺が作っても本職にはかなわないかな。でも、助言なら出せるよ? 例えば……こんな風に」

 そうして私の眼の前に置かれた、麻婆かけご飯を手に取る。
 その料理に、料理人の眉がぴくっと動いた。

「あんたも料理人なら、日々研鑽を怠らないことだね。旨いものを作り続ければ、客ってのは増えるもんさ」
「ほほう……」

 料理人のおじさんが、ご主人様を睨む。
 でも、ご主人様は、素知らぬふりでご飯を食べている。
 あ、あわわ……だ、大丈夫かな。

 なんかおじさんの方は、背中から炎が出そうな勢いなんだけど。
 ほら、なんかこげくさいし……

 ……あれ?

「て、てててんちょー! 火、ひぃ!」

 女給の人の叫び声がする。
 そちらを見てみれば……

「あっ!」
「火事だ!」

 厨房が燃えていた。

「火をつけたまま厨房離れたのか!」

 ご主人様がすぐさま厨房に飛び込んでいく。

「ちょ、ご主人様!」
「まずい、外に出ろ!」

 料理人のおじさんと、給仕の女の人に外に連れだされる私。

「ご主人様! 逃げて!」

 店の外に出ると、店から大量の煙が……
 周囲では警官を呼ぶ声と、避難する怒号が聞こえる。

 私は厨房にいるご主人様に、再度声をかけようとすると……

「お、おい、煙が……」

 周囲の人が騒ぎ出す。
 目の前の菜館から昇っていた煙が徐々に少なく……

「ふう……もう大丈夫。火は消したよ」

 中からご主人様がゆっくり出てきた。

「ご主人様!」

 私はその無事な姿に、ご主人様の胸に飛び込む。
 よかった……無事で。

「おいおい……こんなの平気だって。いつもの『アレ』ですぐ消し止めたよ。まあ、後始末が大変だろうけど」

 アレ……?
 あ、ご主人様の業!

「火事は何処だ!」

 その時、警官の集団がこちらへ走ってくる。
 そして私とご主人様を見ると、全員揃って敬礼した。

「こ、これは劉玄徳様に、御遣い様! ご無事でしたか!」

 警官たちが綺麗に敬礼する姿に、周囲の人たちの目が丸くなる。
 その様子に、ご主人様は私を離して敬礼を返した。

「ご苦労さん。火は消し止めたよ。厨房は氷に覆われているから、片付けるなら砕くか溶かしてくれ。それよりも……親父さん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ