拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 孔明 鳳統 劉備
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ば、だけど」
「???」
ご主人様が難しいこと言っている……天の国の言葉?
「とはいえ、兵でなく民間レベルだとすると……か。うーん……警備とか治安維持には使えないな。自衛の意識が高くなると、自分たちで何でもできるから国を治める人間はいらない、なんて独立意識が芽生えかねない」
「そ、そういう風になっちゃう?」
「極論ではあるけどね。ただ、実際にそうなっているのが俺の世界でもあるわけで……今の段階でそれを育てるのは、ちょっと危ないな」
「そっかあ……」
街の人達の希望だし、できれば叶えてあげたかったんだけど……
「お待たせしましたー! 麻婆に青梗菜、それに八宝菜でございますー」
女性の給仕さんがテーブルに置いていく料理。
うん、見た目も匂いもいい。
「ともかく食べるか……いただきます」
「いただきます……はむ」
もぐもぐ……うん、おいしい。
ふつうに美味しいのに、なんでこの店流行ってないんだろう?
「ふむ。悪くない……白帝城で食べた麻婆には、幾分劣るけど」
「……そういやご主人様って、旅先で色んな物食べたの?」
「ん? まあ、それなりに……そうだ、桃香。こういう食べ方知っているか?」
そう言ってご主人様は、ご飯を小さな椀に盛り、その上に麻婆を……ええ?
「ちょ、ご主人様! お行儀悪いよ!」
「いいからいいから……これ、レンゲで食べてみて」
「えー……じゃあ、ちょっとだけ」
ご主人様がよそってくれたご飯……な、なんか、夫婦みたい。
きゃっ♪
「……どうした?」
「あ、うううんっ! い、戴きます!」
はむ……!?
「え、すごくあう!?」
「ふふ……だろう? で、こっちも……」
もう一つのお椀にもご飯をよそって、こちらには八宝菜を……
「こっちも食べてみて」
「うん……うわ、びっくり! このあんがすごくあう!」
驚いた……こんな食べ方があるなんて!
「ちょっとお行儀は悪いけど……これ、すごくご飯に合うよ!」
「米の食い方は、日本人でもある俺に任せてくれよ。まあ、この料理ももうちょっと胡椒がほしいよな……」
「胡椒……香辛料だね。最近は、随分この漢中でも流行っているけど」
「まだまだ民間の料理人には、試行錯誤中ってことか。ここの料理人もそうかもしれないな」
「……私がその料理人だが?」
……………………
見れば、私達の横には一人の男が立っている。
しかも、包丁を持って。
「あ、あの……」
「人の料理の何が劣って、何がほしいって? 随分なことを言ってくれますな、お客人」
「もぐもぐ……そりゃ言うだろ。対価を払って飯を食べるんだから、その味について素直に言わなきゃな」
「ほう
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