拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 孔明 鳳統 劉備
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だろ。
「と、桃香! あんまりご主人様とか大声で……」
「へ?」
きょとんとしてご主人様を見る。
何故か顔が真っ赤になっていた。
「ご主人様をご主人様って呼んじゃダメなの?」
「いや、ダメじゃなく……はあ」
顔を片手で覆いながら、反対の手で横を指さす?
へ……?
その指先を見てみれば……
「ご、ごしゅじ……?」
「げ、玄徳様の……夫!?」
「おいおいおい! 玄徳様の夫って、たしか龍神の……」
あ、あれ?
なんか街の人の視線が痛いよ?
「げ、玄徳様! その方はもしや、龍の軍し……」
「桃香! 逃げよう!」
「え!? ちょ、ちょっと、ご主人様っ!?」
慌てて手を掴まれて、駆け出すことしばらくして。
ここは、ちょうど北東区の大通りだった。
「はあ……はあ……び、びっくりしたあ」
「ビックリしたじゃないよ。まだ俺の存在は漢中でそれほど広まってないんだからね? 桃香が大声でご主人様なんて言ったら……」
ご主人様はそこまで言って、ちょっと顔を赤らめながらモゴモゴとなにか呟いている。
……なんか、妻とか聞こえた気がした。
「あーこほん。ともかくだ。今、俺のことは警官を通じて少しずつ広めているけど、基本は朱里や雛里の上司ってことになっているからね? 言い方を変えろとは……言いたいけど、聞いてくれないからしょうがないとして! 大声で叫ぶのは、しばらくかんべんしてくれ」
「う……うん。ごめんね?」
別にそこまで気にしなくても、ご主人様はご主人様なんだけどなぁ。
「……最近、外で愛紗や鈴々の『ご主人様』を聞いた街の人が、言うんだよ。三人の豪傑を嫁にするにはどうやったんですか、とか……その上、星が桃香たちは皆俺のお手つきだとか、実は朱里や雛里にも手を出したとか、根も葉もない噂をばらまいているらしくてな」
……星ちゃん。
よくやってくれました!
「俺の身になってくれよ……みんな、それぞれファンクラブみたいのまでいるってのに」
「ふぁんくらぶ?」
「……桃香たちを慕ってくれる若い男の子や女の子がいるんだよ。まあ、若いだけでなく老若男女限らず、それぞれ愛紗が好き、鈴々が好き、とかね。それを全部俺が手を出した……なんて言われてみろよ」
そう言って、ご主人様が自分の黒い服……なんとかスーツを指さす。
あれ? なんか、いろんな擦った跡とか、色んな物が混じった匂いが……
「城を出てから、卵を投げつけられること三回、泥を投げつけられること十回、男の集団に絡まれること二回、なぜか……おばさんに励まされること一回」
あやや……
た、大変だねぇ……
「桃香のファンって人は、大抵年をとった人達が多いから、概ねおおらか
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