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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-42夢の邂逅
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に眺めていた。
(これって。……夢?宿屋さんが、言ってた。不思議な、夢?)
周りに仲間たちがいないか確認しようとするが、視点は固定され、動かすことができない。
と、長閑な村には似合わぬ威容を漂わせる人影が、塔の前に舞い降りる。
見覚えの無い景色の中に現れた、見覚えのある銀髪に、少女の心が波立つ。
(あれ。あの、髪。……あの、ひと?)
顔を確認したいと、焦がれるような強さで思う少女に
拘
(
かか
)
わらず、銀髪の人影は振り返らずに、懐から何かを取り出して構え。
そして、曲を奏で始める。
確信に近い疑惑に、仲間たちの支えと穏やかな時間で、抑えられていた憎しみが再び燃え上がろうとするのに。
その憎しみに、水を浴びせて鎮めるかのように、美しくも不思議な、短いながらも心を穏やかにさせる旋律が紡がれて。
行き場を失った感情の扱いに戸惑う少女を置いて、銀髪の人影は、作動した仕掛けに乗って地中に消える。
と、塔の窓に視点が近付き、部屋の中から窓の外を眺める薔薇色の髪の女性と、部屋に足を踏み入れ女性に歩み寄る銀髪の男を映し出す。
正面から銀髪の男の姿を捉え、疑惑は完全に確信に変わる。
(やっぱり。あのひと。……デスピサロ!)
無我夢中で手を伸ばそうとするも、視点が変えられないのと同様に、身体を動かすこともできない。どころか、身体の存在を認識することもできずに
焦
(
じ
)
れる少女の前で、女性が口を開く。
「ピサロ様……」
言葉を耳にして初めて女性の存在を意識し、また心が波立つ。
(……知らない、ひとなのに。……知ってる、みたい?……なつかしい、みたいな……)
髪と同色の瞳に白い肌と細長く尖った耳を持つ、人に似て非なる際立った美貌の女性を前に、戸惑う少女に構うことも気付くことも無く、今度は銀髪の男が口を開く。
「ロザリー。私は、人間を滅ぼすことにした」
「……なぜ、そんな」
「間も無く世界は、裁きの炎に焼かれるだろう。私の仕事が終わるまで、ロザリー。お前は、ここに隠れているのだよ」
どこまでも優しく語りかける銀髪の男の言葉に薔薇色の女性が
蒼褪
(
あおざ
)
め、
慄
(
おのの
)
く。
震える唇でなんとか告げようとする女性の言葉を待たず、男は
踵
(
きびす
)
を返す。
その背中によろよろと歩み寄ろうとして、また別の
甲冑
(
かっちゅう
)
の男に遮られ、去り行く背中に向かい叫ぶ。
「お待ちください!ピサロ様!」
女性の叫びにも歩みは止まらず、すぐに背中は見えなくなる。
甲冑の男に促されて女性はよろよろと引き返し、窓辺に立って祈るように呟く。
「誰か、誰か……。ピサロ様を、止めて……。このままでは、世界は滅んでしまう……」
女性が顔を
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