フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十二話 襲撃者と乱入者
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さい。目標はあのインプです」
舌打ちをして自らの後ろに控えていたサラマンダーたちに合図を送り、その命令に即座に五人のプレイヤーがランスを構えた。ユージーンが何かを言う気配はない。
だが、それを見てもソレイユは特に気にする様子はなかった。五百ユルドが入った麻袋をアイテムウインドウに仕舞い、悠然とした態度でブレイズ達のことを見据えている。その態度がますます気に入らないブレイズ。
「「「「・・・・・・」」」」
誰もしゃべらず緊張を含んだ静寂が辺り一帯を支配した。ブレイズはゆっくりとした動作で腕を上げ――
「いきなさい!!」
一呼吸おいて腕を振り下した。下された合図とともに重厚な鎧を着た五人のサラマンダーがソレイユに向かって突進していく。それを見たキリトが剣の柄に手を伸ばしたが、それをソレイユは静止させ下がるようにジェスチャーする。何か策があるのかと思いキリトはおとなしくソレイユに従って下がった。
シルフには劣るものの猛スピードで突っ込んでくるサラマンダーたち。迎え撃つソレイユはゆっくりとした動作で鞘から刀を抜いた。そしてサラマンダーたちとソレイユが交差した瞬間――
ヒュイン
という音が五回鳴った。すれ違ったサラマンダーたちは動かず、ソレイユは刀を鞘に納めていた。一瞬の動作で何があったのかわからない者がほとんどの中、止まっていた時間が動き出すようにサラマンダーたち五人は何かが砕ける音と共にポリゴン片となっていった。
「「「「「―――なっ!!!??」」」」」
驚きの声が辺り一帯に響く。そこには当然ブレイズの声も含まれていた。
「な、なにをした!?」
動揺しながらもソレイユにブレイズは問い詰める。
「五回剣を振るっただけなんだけど・・・」
ソレイユはだけ、と言っているがその振るわれた剣の速度が尋常ではなかった。何気なく言うソレイユだが、ブレイズからしてみれば実力差を知らしめられた気がしてならない。
「さて、次はお前か。いきなり斬りかかってきたんだし、当然斬られる覚悟ぐらいあるんだよな?」
眼をとがらせてブレイズを一瞥しながらそう言うソレイユ。その視線を受けたブレイズはひぃ、と悲鳴を上げてしまう。先ほどの戦闘で決着がつくものだと考えていたブレイズ。そんなブレイズがソレイユのいうような覚悟など当然持っているわけがない。見下した態度が一変し、逃げ腰になってしまっている。だが、そんなことをかまうソレイユではない。ブレイズのことを斬ろうと翅を羽ばたかせた。
「ひ、ひぃぃぃ!!?!?」
なさけなく悲鳴を上げながら背を向けて逃げようとするブレイズ。その姿を距離を詰めながら見ていたソレイユは静かに溜息を吐いた。
「・・・おいおい」
実力あるプレイヤーだと思ったのだが、ど
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