フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十二話 襲撃者と乱入者
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表情でリーファに視線を向ける。その視線を向けられたリーファはというと、何やら必死にウインクしている。
「ウンディーネとスプリガンが同盟だと・・・?」
「ああ、そうだ」
はっきりと断言するキリト。それを横で聞いていたソレイユはシェイドとドロシーにこのことを報告しよう、などと考えていた。
「仮に貴様が同盟の大使だとしよう。だが、それならばなぜインプと一緒にいる?」
ユージーンの質問の意味が解らないキリト。それを小声でソレイユが補足した。
「インプとウンディーネって仲悪いのよ」
「・・・ま、まじ?」
「まじ。まぁ、ここは任せな」
そう言ってソレイユはキリトの前に進み出て口を開いた。
「おれはソレイユ。ちょっとした個人から運搬の依頼をされてな。今ここにいる」
「運搬の依頼だと?ならばなぜスプリガンと一緒にいる?」
「こいつとは現実の方で知り合いなんだ。アバターの方もプレイヤー名の方も現実で聞いていたからここに来る途中たまたま出くわして。目的地が一緒何でパーティーを組むことにしたんだ。ちなみに、同盟の大使だっていうのは今知った」
嘘と事実を混ぜながら話すソレイユ。ソレイユの口から吐き出された言葉に呆気にとられるキリトだったが何とかポーカーフェイスを保っていた。
「・・・では、貴様が受けた依頼というのはなんだ?」
ユージーンの質問にソレイユはアイテムウインドウをいじってある麻袋を実体化させた。
「ここには五百万ユルドが入ってる。これをこの同盟に役立てたいと言ってきた人物がいてな。色々あって腕を見込まれてこれを運ぶことになった」
「ほう。では――」
「では、貴方を倒せば五百万ユルドが手に入るという訳ですか」
ユージーンの言葉を遮り声を上げたのはユージーンよりも小柄だが、全身を覆う鎧と手に持つ武器から相当な熟練者だということが伺えた。
「ブレイズか・・・今は話の途中だ」
「ええ、承知しています。そちらのスプリガンの方の言うことの真偽を図ることは今はかないません。もし、彼の言うことが本当のことだったら我々は色々と劣勢に立たされてしまう」
そこで一拍置き、ブレイズと呼ばれたプレイヤーはソレイユを見据えながら口を開く。
「ですが、インプの方は別です。彼は個人からの依頼だと言っていました。ならば、彼を倒してしまえば我々の立ち位置は変わらず、しかも五百万ユルドも稼げるわけです。くっくっくっ馬鹿ですねぇ、そんなこと喋らなければいいのもを」
ソレイユのことを嘲笑するブレイズ。だが、その対象となっているソレイユ自身は怒るわけでもなく、呆れるだけでもなく、ブレイズのことを見据えていた。そのことがブレイズの癪に触ってしまった。
「ちっ・・・構えな
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