三話 「移動と方針」
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員が手を止めないまま、眉根を寄せ少し考えて口を開く
それに少し意識を割きながら、膨れた腹を撫で今度は満腹感からの眠気と戦っていたためか、俺はそれを対して気にしなかった
「雪深い村、ということで知られていたはずだよ」
「おー寒。元々高いわけじゃなかったが、かなり寒くなって来たな。おい、お前は大丈夫か」
「はい、大じょ…ぶぇくしゅ。大丈夫です。あ、雪があります」
「おお、本当だ。そういやさっきの店の奴の話じゃ、今日着く村は雪が結構あるとこらしいから段々増えてくんだろうよ」
まじか。出来れば遠慮したいぞそれ
風邪をそう簡単に引くとは思えないのでその辺は大丈夫だが、寒いのは出来れば遠慮したい。暑いのはもっと嫌だが
そう思いながら足を進めて道を歩く。おう、段々雪が増えてきてやがる
「そういやお前、変化とか使えるんだったよな」
「はい。ええと、それ位しか出来ません」
まあ、嘘だが
「まあ、それ一つ出来りゃあ良い。あれだろ、それ使えば大人の姿とかにもなれんだろ?」
「そうですけど……」
「そうか。そりゃ実にいい。お前、俺の荷物に何入ってるか知ってるか?」
「え? はい、ええと確か……」
そういい、少し前に見せてもらった中身をいくつか思い出しながら言う。言いながら気づくが、旅に必要なさそうなものがいくつもねぇかこれ?
「そうだ、それで大体合ってる。で、だ。実はこれ、売り物もあるんだよ」
「え?」
「いくつか売り切れなかったものがあってな。行く途中で売ろうと思ってる。場合によっちゃ、何かと交換とかにも出来るだろ」
「はー」
「それで、手が必要だったらお前にも手伝ってもらうぞ」
「へー。……え?」
何となく聞き流してたが、良く分からない言葉が聞こえてきて思わず疑問の声が上がる
「必要そうな時は適当な歳にでも化けて手伝ってもらうぞ」
「いやいやいや。僕子供ですよ?」
「お前歳に合わず賢そうだし、大丈夫だろ。そんくらい手伝え。そんな難しいことやらせるつもりはねぇよ。目的地に着くまでだ慣れろ」
「えー……それ位ならその、頑張ってみます」
「まあ、波の国ついてもやらせるかもしれんがな……」
「え?」
不穏な声も聞こえたが、おっさんがそっぽを向いてこちらを見てこないのでまあ気にしたら負けだと流す。ああ言ってるんだ、そう難しいことじゃないだろ、多分
にしてもそんな年相応に見えなかったのか俺
(ま、いいか。面倒見てもらうんだしその位。……にしても暇だな、練習でもしとくか)
特にすることもなく暇なので、自分の荷物から風船を取り出しそこらの雪を掬って入れ、空気を入れて即席の水風船を作る
口を縛った後そこを紐で結んで輪を作って手首に通し、甲を上に向けて風船を握
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