§51 あとしまつのあとしまつ
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ただしたい。なんだこれは、と。義弟ってなんだ、とか行きたいけど行けないってなんでだ、とかなんで復活させたいんだ、とか。ツッコミ所が多すぎる。
「教主様。だいぶややこしい事情ですので私がまとめてお話します。補足、追加等ありましたらお願いします」
甘粕達からもらった資料全てひとまとめにして読んでいたらしく、キツネの周りには資料がこんもり積もっている。その上に必死に這い上がるもふもふの姿はなんだか微笑ましい。そんな光景を見て、教主も若干頬が緩む。
「ふふ。それで良いでしょう。私も認知していない事情があるかもしれませんし」
「では僭越ながら先程の教主様の補足から。……陸鷹化から教主様はマスターの存在を認識しました。ここで教主がマスターの捜索に方針転換してしまわれます。ここでグィネヴィアが代わりに目をつけたのがヴォバン侯爵です。でも、他国のカンピオーネに自国の神を斃されるのが我慢ならない教主がヴォバン侯爵を斃しに行こうとなされまして」
「なんじゃそら」
この時点で理由が可笑しい。我慢ならないとかそんな馬鹿な理由があってたまるか。
「しかし教主はグィネヴィアに「邪魔をしない」と言ってしまわれまして。妥協案が草薙様に名代として行ってもらう、ということ、らしいです」
名代で義兄弟とか、結局約束破ってるじゃんそれとか、すごいツッコミ満載な事を聞いた気がするが黎斗はそこにつっこめない。更にヤバいものを聞いてしまったから。
「グィネ、ヴィア……!!」
ランスロットが出てきた理由。金髪ロリの魔女王。
「最後の王、か」
「……知っているのかい?」
沈黙を保っていた冥王が口を開く。仮面に隠された表情は見えないが、軽口を叩いてこない辺りかなり真剣なのだろう。
「名前だけ。僕がひきこもってぐーたら食っちゃ寝してる間に、スサノオや坊さんが終わらせた。酒呑の大将も出てたんだっけ? あれ?それは別の神だっけ?」
「「「…………」」」
呆れた空気が、黎斗の全身に突き刺さる。
「そーいえば、あの頃のマスター、寝て起きて寝てを繰り返してましたね……時たま現世の人たちの夢を渡って遊んだり、降霊術やってる人に答えて電波飛ばしたり」
「もしかしなくても、れーとさんてダメ人間……?」
「もしかしなくてもニートですよ」
恵那の呆れた呟きに、羅濠教主が過剰とも言える反応を返す。
「娘、お義兄様を愚弄しますか!! お義兄様は恐らく「にぃと」とやらを極めようとしていただけです!!」
「翠蓮、ありがたいけどそのフォローはいらない……」
フォローしてくれているつもりなのだろうが、逆に精神に傷を負う言い方だ。
「まぁ、カミサマなんてそんなもんだよ。ねぇ?」
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