妖精たちは風の中
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そう言うとティアは1人で先に行ってしまった。
「ティアにあんな事言われちゃったけど、どうする?」
「・・・わ、解ったわよっ!探しますっ!見つけるまで探しますっ!」
「ルーシィってコロコロ態度変わるよね」
「もおぉぉっ!うるさいなぁっ!てか何でアタシになついてんの!?このネコォ!」
「エリゴォォォォル!」
一方その頃、ナツは炎を纏った足で壁を破壊していた。
「どこに隠れてんだァァっ!コラァァァーっ!」
そう叫んで左右を見回し、エリゴールがいない事を確認する。
そして。
「次ィィっ!」
すぐ隣の壁も壊した。
ちなみに扉はすぐ真横にある。
「おい待てナツ」
「あ?何だよ、アルカ」
「いいか?人間はな、常に進歩してるんだ」
「は?」
「でもって人間は『扉』っつーハイテクなモンを創ったんだ。これはな、こうドアノブを捻るなり押すなりすれば部屋に入れる超画期的なモンでな。いちいち壁を壊さなくても部屋に入れるんだよ」
「んな事知ってるぞ」
「じゃあなんでいちいち壁壊すんだよ、お前は」
「だってその方が早いじゃんか」
あっけらかんと答えるナツに呆れるアルカ。
「気が治まらないんでねっ!」
「ぐほぉっ!」
「ナツ!」
突然の言葉と共に、カゲヤマがナツの後頭部を蹴った。
ナツはそのまま四角い木の箱の山の中に顔から突っ込む。
「ヒャハ・・・あれ、緑頭はいないのか」
「おおお・・・またお前かーっ!」
「ナツ、顔」
くわっと振り返ったナツの顔には、どこかのアミューズメントパークの看板。
しかも真ん中に書かれている人の顔の部分にナツの顔があり、なんだかミスマッチだ。
「君の魔法は大体分かった。身体に炎を付加する事で破壊力を上げる珍しい魔法だね」
「ぬぉぉぉっ!めっちゃくちゃ殴りてぇけどそれどころじゃねぇっ!殴りてぇけどおめぇに用はねぇ!エリゴールはどこだっ!」
「さぁてどこかな。僕に勝てたら教えてやってもいいけどね」
カゲヤマの足元の影が伸び、巨大な手になってナツを襲う。
だがナツはそれをひらりと避けた。
「お!殴った後に教えてくれんのか?一石二鳥じゃねーか、燃えてきたぞ!アルカ!手ぇ出すなよ!」
「へいへい。手を出そうなんぞ思ってねぇさ。こいつァお前の獲物だろ」
「そーゆー事だっ!」
そんな会話をしながらもナツは影をかわしていく。
「チッ、すばしっこい」
カゲヤマは軽く舌打ちをし、両手を地に付けた。
「しかし八つ影はかわせまいっ!逃げてもどこまでも追いかけてゆくぞ!」
大蛇の形をした8つの影がナツに向かってくる。
それを見たナツは拳に炎を纏う・・・が。
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