妖精たちは風の中
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そこで呪歌を使う気なんだ!」
「だいたいの話は彼から聞いた。しかしこの駅には魔風壁が・・・」
「あぁ!さっき見てきた!無理矢理出ようとすればミンチになるぜ、ありゃ!」
グレイとルーは2階から飛び降り、着地する。
「こうしてる間にもエリゴールはマスター達の所へ近づいているというのに・・・」
「こいつ等は魔風壁の消し方知らねぇのかよ!」
「ひっ」
「よせ・・・彼らは知らない」
「あ」
「どうかしたのか?ルー」
ずっと黙っていたルーが口を開いた。
「あのさ。呪歌って封印されてたんだよね?」
「あぁ」
「呪殺魔法だ。封印されてて当然だろ」
「じゃあ、その封印を解いた解除魔導士がいるんじゃない?」
「!そういえばカゲと呼ばれていた奴がいたはずだ!奴は確かたった1人で呪歌の封印を解除した!」
「それなら魔風壁も!」
「探すぞ!カゲを捕らえるんだ!」
脱出の糸口が見えてきた3人は駆けだす。
その様子を見ていたビアードが、ゆっくり口を開いた。
「カラッカ・・・いつまで隠れてる?いるんだろ?」
そう言われて壁からぬぅっと出てきたのは、ルーシィとティアが追っているはずのカラッカだった。
「ス、スマネ・・・」
「聞いてただろ?カゲが狙われている・・・行けよ」
「か、勘弁してくれ!俺には助太刀なんて無理だっ!」
「もっと簡単な仕事だよ・・・」
「え?」
そう言うビアードの顔には、不気味な笑みが広がっていた。
「あーあ・・・完全に見失っちゃったよ」
「あい」
「その様ね」
その頃、ルーシィとティアとハッピーはエルザに頼まれたとおりにカラッカを探していた。
だがその姿はない。
「ねぇ・・・一旦エルザのトコ戻らない?」
「!」
「な、何よ」
ルーシィの言葉にハッピーが突然震え始めた。
「エルザは「追え』って言ったんだよ。そっか・・・凄いなぁルーシィは・・・エルザの頼みを無視するのかぁ。あのエルザの頼みをねぇ〜、エルザにあんな事されるルーシィは見たくないなぁ」
「あ、あたし何されちゃう訳!?」
「そんな事はどうでもいいわ」
ティアがじっとルーシィを見つめる。
ルーシィもティアを見つめ、ティアはゆっくりと口を開いた。
「普通に考えなさい。これが仕事だとして『見つからなかったから出来なかった』なんて理由は通らないの。私達は『追う仕事』を任されたのよ。仕事放棄なんてしていい訳が無い。今私達がすべき事はエルザの所に戻る事じゃなく、アイツを追う事でしょ?仕事以外でも頼まれた事をきちんと熟せないようじゃ、妖精の尻尾の魔導士とは言えないわね」
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