妖精たちは風の中
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外の交通手段は無いはずだよ!?」
「忘れたのか?エリゴールさんは空を飛べる」
「呪歌はそっちかっ!?」
「クローバーには何があるか、よーく思い出してみるんだなっ!」
レイユールの両手から紐が伸び、油断していたグレイとルーを容赦なく傷つける。
にや、とレイユールが微笑んだ。
「ま、まさか・・・!そんな・・・!」
「クローバー・・・あの街は・・・」
2人とも驚愕している。
そりゃそうだろう。クローバーにあるもの、それは・・・。
「じーさんどもが定例会をしてる街だ!」
「本当の狙いはギルドマスターかぁっ!」
そう。先ほど行われていた定例会の会場はクローバーの街にあるのだ。
「ははっ!」
「強力な魔法を持ったじーさんども相手に、思い切った事するじゃねーの」
「その勇気と覚悟は別の所で使ってほしかったよ」
「何も知らねぇじじい相手に笛を聴かせるなんて造作もねぇさ、エリゴールさんならきっとやってくれる。そして邪魔するテメェ等はこの駅から出られない。そうだ・・・もう止められないって事だ」
そう言うレイユールは知らない。
グレイの左手に冷気が集まってきている事を。
ルーの右手に冷たい風が集まっている事を。
「今まで虐げられてきた報復をするのだっ!全て消えてなくなるぞォ!」
そうレイユールが叫んだ瞬間、その顔にグレイの左手とルーの右手が強く当てられた。
「止めてやるよ」
「絶対に、ね」
そう呟く度にグレイの手から氷が現れ、レイユールの顔を凍らせていく。
ルーの風は凍らせるスピードを上げる様に徐々に冷たくなっていった。
「そして俺達の『親』を狙った事を後悔しやがれ」
「あんなお爺さん達だけど、僕達にとっては親みたいなものなんだ」
「がっ、は・・・」
ピキィ、と音を立ててレイユールの顔が完全に凍る。
顔を凍らされたレイユールは倒れ、そこには怒りを露わにしたグレイとルーだけが残った。
「闇ギルドよりおっかねぇギルドがあるって事を思い知らせてやる!」
「妖精の尻尾に手を出すとどうなるか、教えてあげるよ」
所変わって、ここは駅のホーム。
先ほどエルザとティアが雑魚を一掃した場所だ。
「知らねぇんだよ・・・む、無理だって・・・魔風壁の解除なんて・・・俺達が出来る訳ねぇだろ・・・」
エルザに胸倉をつかまれたビアードが弱弱しく答える。
「エルザー!」
「グレイとルーか!?ナツとアルカは一緒じゃないのか?」
「途中で別れ道になったから二手に分かれたんだ」
「つーかそれどころじゃねぇっ!鉄の森の本当の標的はこの先の街だ!じーさんどもの定例会の会場・・・奴は
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