第一部
前哨戦
prologue-1
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「うにゅ……。」
窓から暖かな朝日が射し込み、一日の始まりを告げる鳥の声がする。
土屋小鉢は体にかかる軽い布団を押し退け上体を起こす。
「ほえ?」
まだ夢の世界から抜け出せていないのか、幼さの残る少女はフラフラとベッドから降りて顔を洗おうと洗面所を向かったが、
「あれぇ?」
果たして自分の部屋はここまで広かったか?高々四畳ほどの部屋が28畳の大広間に見える。その真ん中にさっきまでいた‘天蓋付きベッド’。
寝ぼけた頭で必死に考えた彼女は何かが違うとどこかで考えていた。
「ん〜?」
徐々に覚醒する意識が自宅とこの部屋の間取りを比較する。圧倒的にこの部屋の方が大きい。
大体うちのマンションはこんなにも広くない。
「ん?」
ほぼ覚醒した彼女は次に自身の格好に目を付けた。
ヨレヨレのパジャマ姿だと思っていたがなんだか暗色系でカラフルな服だった。
しかもゲームでこんな格好をした人間を見た気がする。
「迷彩服?」
いわゆるウッドランド迷彩。緑色を散りばめたオーソドックスな迷彩服だ。
「なにこれ?」
逡巡するうちに目が完全に覚め、状況の特異さに次々に気付いていく。
こんな広い部屋はうちにはないし、学校にもない。まるで昔のアニメで見たお姫様の私室のようだ。
見れば壁に何かの紋章が描かれている。
「なんなの?」
時を忘れて熟考していると音が聞こえた。
ドアだ。ノック音か?
「失礼します。」
でるまでもなく誰かが入ってきた。しかもドレス服の女性が。
「おはようございます。ようこそ、ペテルチアへ。」
「あなた、だれ。なんなの?」
「勇者様、どうかわが国を助けてください。」
「は?」
ドレス姿の女性にいわれたことがすぐには飲み込めずしばしの時間が過ぎた。
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