第五章 StrikerS編
第百四十二話 『嵐の前の日常風景(裏)』
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わね、トレディちゃんも。
一度あなたの力でお姉ちゃんを倒して誘拐、さらにはその男の子の心に傷を負わせる。
そして次に戦う時は、そうね〜…?
『姉を返して欲しくば私のモノになってください』とでも言えば、後はトレディちゃんの手腕次第よ!」
「………ですがきっと反論されます…」
「それなら、こうとも言えばいいのよ〜。『さもなくばあなたの姉を殺します』ってね♪」
そう言ってクアットロ姉様は舌なめずりをしながら話を締めくくります。
そして部屋を去り際に『頑張ってね〜』と言われましたけど、本当にこれが正しいのかわからないです。
ですが今のところ、私にはレンさんを私のモノにするプランをまったく思いつきません。
レンさんの心を傷つけてしまうと考えると、今までとは違った胸の痛みを感じるのはなぜでしょうか…?
…そうですね。
他の人にも相談をしてみましょうか。
それでまず向かったのは食堂で紅茶を飲んでいるチンク姉様にトーレ姉様に聞いてみることにしました。
だけど聞いた際に、
「はぁ…クアットロもロクなことを言わんな」
と、トーレ姉様は呆れていました。
「トレディ。私の次に作られたお前の心の成長は姉としては嬉しいぞ」
「………チンク姉様、ありがとうございます」
「だが、後悔だけはするなよ? その恋とやらは我ら戦闘機人からしてみれば未知の感情だからな」
「………はい、わかりました。用心します」
「うむ、ならばよいのだが…」
「失礼します。トーレ、チンク、トレディ」
「セッテか。どうしたんだ…?」
と、そこにセッテが部屋にやってきました。
トーレ姉様がそれに応えています。
ですが、私も皆には無表情とよく言われますが彼女も負けずの無表情の子だと思います。
「空戦シムのスペースを使用したく許可をいただきに参りました」
「空いているのなら好きに使えばいい。私たちにいちいち許可をとる必要はないのだからな」
「失礼しました。以後そのようにいたします」
そう言ってセッテは言葉の声色も変えずに機械的に謝罪をしてきました。
昔の私もこうだったのでしょうか…?と、思い出してみます。
ですが自分にあまり興味がない私にはそう言った細かな記憶は思い出せません。
過去から暇つぶしに毎日記録している端末を確認すればどうだったのかも確認できますが…。
ちなみにこれを付けている事をウーノお姉様にバレた時には『まるで自分の成長日記ね』と言われた事に関して少し感情が揺らいだのを覚えています。
『それが恥ずかしいという感情よ』と言われた時にも少し納得できました。
「それから動作と言動にはもう少し気を遣え。あまりにも“機械すぎる”ぞ?」
そう、トーレ姉様が言った瞬間、私も少し胸が痛んだ気がしました。
私
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