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占術師速水丈太郎  ローマの少女
第十二章
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への字の三角の右を取る。そこにあったのは悪魔であった。
「やはり相手は魔性ということですか」
「そうですね」
「そして二枚目は」
 二枚目は左のカードであった。そこにあったのは死神の逆であった。
「また死神ですね」
「これはいい意味と思います」
「そうなりますか」
「はい。カードは転換を表わしています」
「転換というと」
「おそらくは今のこの占いのことなのでしょう」
 速水は考えながらこう述べた。
「つまり今こうして占っているというのはかなりいいことだったということです」
「成程」
「おかげで道が見えようとしているのですから。それで」
 三枚目のカードは中央であった。三角の頂点である。
「未来です」
「未来は」
「・・・・・・ふむ」
 三枚目のカードを見てまた考える顔になった。


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