暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
35話:動き出す運命の歯車
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その前にも、管理局に捕まりかけたシャマルを助けたのも、奴だ。
「完成した闇の書を利用しようとしているのかもしれないな…」
「ありえねぇ!だって、完成した闇の署を奪ったって、マスター以外に使えないじゃん!」
床に座っていたザフィーラの言葉に、側にいたヴィータが立ち上がりながら叫んだ。
「完成した時点で、主は絶対的な力を得る。脅迫や洗脳に、効果がある筈もないしな」
「まぁ、家の周りには厳重なセキュリティを張ってるし、万が一にもはやてちゃんに危害が及ぶことは、ないと思うけど…」
「念のためだ、シャマルはなるべく主の側を離れん方がいいな」
ザフィーラの言葉に、シャマルは首を縦に振る。
「ねぇ…闇の書を完成させてさ、はやてが本当のマスターになってさ…それではやては幸せになれるんだよね…」
「なんだ、いきなり?」
「闇の書の主は大いなる力を得る、守護者である私達が、それを誰より知っている筈でしょ?」
「そうなんだよ、そうなんだけどさ…私はなんか、なんか大事なことを忘れているような気がするんだ…」
ヴィータの言葉に、シャマルとザフィーラは小さなうなり声を上げる。だが、シグナムだけ、まだ前日の…ディケイドからかけられた言葉を思い出していた。
(ディケイド…お前は一体何者なんだ?)
あのとき…転移する直前、聞こえるか聞こえないかの瀬戸際で言い放った言葉は、しっかりとシグナムの耳に届いていた。
『家族を大切にしろよ』
(奴は…主と私達の事を知っているのか?だとしたら奴は一体…)
その瞬間、八神家に大きな音が響き渡る。
音の出所はシグナム達の主―――はやてが眠る寝室。そしてここにはこの家に住む五人の内四人がいる。よってその音を出した原因は……
「はやて!」
「はやてちゃん!」
すぐにシグナム達は動き、寝室の扉を開く。そこには床に倒れ、苦しそうに胸を抑えるはやての姿があった。
彼等との接触の二日後。昨日休んでいたフェイトも体調に問題がないとの事で、学校に登校した。
学校ではすずか経由ではやてが入院した事を三人が知らされ、見舞いに行こうという話があって、俺も連行されている訳で。
病院にやってきて、はやての病室へ。ノックも忘れずに。マナーは大事だ。
「は〜い!どうぞ〜!」
その言葉を聞いて、俺達五人は扉を開ける。
「「「「こんにちは〜!」」」」
「こんにちは、いらっしゃい!」
「よ、久しぶり…とも言えないか」
「ふふ、確かになぁ」
…なにその目線は?
「なんで士君ははやてちゃんとそんなに仲が良さそうなの?」
「挨拶ぐらいちゃんとしなさいよ」
「久しぶりじゃないってどういうこ
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