暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
35話:動き出す運命の歯車
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み、声を詰まらせる。
視線を上げると、仮面の男は先程いた場所よりも離れた場所にいた。バーニングフォームだと、追撃はできそうにない。

「………」
「………」

士と仮面の男、二人がまっすぐ睨み合い、長い沈黙が続く。
先に動いたのは仮面の男。俺達に背を向けるように振り返り、そのまま飛び去っていく。

「………」

士はそれを見届けた後、警戒を解くようにアギトからディケイドへと戻る。

「やはり、ディケイドだったか」
「……あぁ」

ディケイドに戻ってから、シグナムが声をかけてきた。士は男が飛び去った方向を向いたまま、返事をする。

「どうする?これから、俺との決着をつけるか?」
「いや…止めておこう。私もこれ以上、消耗したくはない」

そうか、と士が小さく呟くと、シグナムは踵を返す。

「……すまなかった」

そう言うと同時に、シグナムの足下に魔法陣が展開される。

「言い訳はできないが、すまないと伝えてくれ」
「……あぁ、伝えておく」
「決着の方も、いずれ」

魔法陣も大きく輝き始める。それと同時に、シグナムの体も消え始める。

「…シグナム!」
「……?」

消える直前、士は叫ぶ。シグナムは転移を止めることはなく、顔だけで半分振り向く。

「―――――――――」

士が叫んだ瞬間、シグナムの姿が消えた。聞こえているかどうかは、士にはわからなかった。


















「フェイトさんは、リンカーコアに酷いダメージを受けてるけど、命に別状はないそうよ」

会議室の一番奥に座るリンディさん。あの後、エイミィとの通信が繋がって、アルフとも合流。その後やってきたアースラに乗り込み、現在は本局。

「私の時と同じように、闇の書に吸収されちゃったんですね」
「アースラの稼働中でよかった。なのはの時以上に、救援が早かったから」
「だね…」

俺の両側で言うなのはとクロノ。クロノの言葉を聞いたアリアは、そう言いながら頷く。

「三人が出動してからしばらくして、駐屯所の管制システムがクラッキングで粗方ダウンしちゃって。それで、指揮や連絡が取れなくて……ごめんね、私の責任だ…」
「んなこたないよ。エイミィがシステムをすぐ復帰させたから、アースラに連絡が取れたんだし、仮面の男の映像だってちゃんと残せた」

落ち込むエイミィに、男の映像を出しながら励ますアリア。

「それに、それを言うなら、俺だってフェイトを助けられなかった。もう少し気にかけていれば…」
「ち、違うよ!士君だって、そんな怪我までしてフェイトちゃんを助けようとしたんだよ!」
「でも結局は、フェイトの蒐集を阻止できなかった」

俺はそう言いながら、
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